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化学プラントの自動運転を支援するためのAI、NTT Comが横河ソリューションと連携し開発

DIGITAL X 編集部
2021年1月8日

化学プラントのオペレーションを自動制御するためのAI(人工知能)を、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が横河ソリューションサービスと連携して開発した。人手によるオペレーションと同等の制御ができるという。NTT Comが2020年12月16日に発表した。

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が横河ソリューションサービスとの連携で開発したのは、化学プラントのオペレーションを自動化するためのAI(人工知能)。将来的には、AIを使うことで化学プラントの運転支援や自動化、運転員の省力化、生産の安定化につなげたい考え。

 化学プラントでは一般に、製品の生産過程で温度や圧力が複雑に変化するためシステムによる自動制御が難しい。運転員による人的オペレーションが不可欠だが、高度なスキルが必要なことからオペレーション品質にばらつきが出ることが課題になっている。

 開発したAIを利用すれば、オペレーション品質のばらつきをなくし、少人数の運転員でも安定した運転が可能になるとする。実証実験では、AIと運転員とのオペレーション精度の差を比較した相関係数が、CORR=0.95と小さく、運転員の作業と高い精度で一致したという(図1)。

図1:過去のオペレーションのデータをAIが学習してシステムを自動制御する

 同AIはNTTグループが持つAI関連技術群「corevo(コレボ)」と、NTT ComのAI開発ツール「Node-AI」を用いて開発した。プラント運転において何を注視すべきデータ項目とするかなど横河ソリューションサービスが持つ専門的な知見をNTT Comが実装した。

 具体的には、過去のオペレーションで取得してきた温度や圧力などのデータと、それを制御する運転員の操作履歴を教師データによる模倣学習を実施した。模倣学習により、複雑に状態が変化するプラントにおいても過去のデータから学習した制御が可能で、運転員のオペレーションが不可欠だった工程にも適用できるとする。