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CXを高める戦略からデジタル基盤構築までを手掛ける横断組織、電通グループが立ち上げ

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2021年1月21日

CX(Customer Experience:顧客体験)を高めるためのデータ活用基盤をクラウドベースで構築・運用するためのグループ横断組織を、電通アイソバーと電通デジタル、電通国際情報サービス(ISID)の3社が2021年1月20日に立ち上げた。400人規模の専⾨⼈材を集め、戦略からシステム構築、施策の実施までを含めた事業拡大を図る。同日に発表した。

 電通アイソバー、電通デジタル、電通国際情報サービス(ISID)の3社が立ち上げた「Dentsu DX Ground(電通DXグラウンド)」は、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みを実行するためのデジタル基盤を構築・運用するためのグループ横断組織。各社から専⾨⼈材、約400人を集約し、⼤規模化・複雑化するクラウド環境の構築・運⽤やデータ活⽤の⾼度化を提案する。

 電通アイソバーによれば、DXへの取り組みが本格化するなかで、その実行基盤の整備が急務になっている。特に社会や消費者の変化への対応力が必要なマーケティング領域では、各種クラウドサービスの採用が進むものの、マルチクラウド化や既存システムとの連携などに携わる専⾨⼈材が量的にも質的にも不⾜しているという。

 Dentsu DX Groundでは、グループ3社からマルチクラウド環境の構築・運用に長けた人材を横断的に集めることで、マーケティング領域を中心としたDX関連案件に対し、戦略の立案からクラウド環境を構築・運用、施策の実施までを提案したい考えだ。

 基盤として組み合わせるクラウドサービスとしては、「Salesforce Customer 360」(米Salesforce.com製)や「Adobe Experience Cloud」(米Adobe製)のマーケティング関連サービスと、「Google Cloud」(米Google製)や「AWS(Amazon Web Services)」(米Amazon.com製)などを想定しているようだ。

 Dentsu DX Groundにおける電通アイソバーからの人材は、グローバルにデジタル広告代理店事業を展開するアイソバーグループの強みを生かし、CX(Customer Experience:顧客体験)デザインを軸にした戦略コンサルティングとデジタルマーケティングを主に担当する。

 電通デジタルの人材は、国内電通グループのマーケティング⼿法をフレームワーク化したプランニングと施策開発⼒を強みに、マーケティングオートメーションなどのためのプランニングからシステム構築・運⽤までを担う。

 ISIDは、複数業界に対し、マルチクラウドのCRM(顧客関係管理)やマーケティングオートメーション、コンタクトセンターなどのシステム構築から基幹系システムの構築までを手掛けており、同社の人材は既存環境との連携を含め企業システム全般をカバーする。

 3社は今後、Dentsu DX Groundの共同運営を通じて知見を共有するほか、新たなテクノロジーサービスを共同で開発する。人材採⽤による体制強化にも取り組むとしている。