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医療従事者と患者の会話を対象にした音声認識サービス、アドバンスト・メディアが発売

DIGITAL X 編集部
2021年2月5日

オンライン診療などを含め、医療従事者と患者の会話をリアルタイムで録音・テキスト化する音声認識技術サービスを、音声認識技術を開発するアドバンスト・メディアが2021年1月28日に発売した。同日に発表した。

 音声認識関連サービスを手掛けるアドバンスト・メディアの「AmiVoice IC-Support(アミボイス アイシーサポート)」は、医療従事者と患者の会話をリアルタイムで録音しテキストデータに変化するサービス。手作業による電子カルテや相談記録の作成などを音声認識技術で削減することで、医療関連業務の効率化を支援する。

 AmiVoice IC-Supportは、医療従事者と患者の音声を分離して録音・テキスト化できるのが特徴だ(図1)。医療従事者と患者の会話のすべてを録音・テキスト化することで、記録ミスや記録漏れなどのトラブルを未然に防止する。定型的な書類の記録だけでは読み取れない詳細な情報を共有・確認できることから、患者との相互理解の向上に役立つとしている。

図1:「AmiVoice IC-Support」は医療従事者と患者の音声を分離して録音・テキスト化する

 医療現場の会話は高い機密性が求められるため、外部とのネットワーク接続が不要なスタンドアローンで動作する音声認識処理方式を採用している。音声認識率を高めるために、医療用語や診察中の会話に特化した音声認識エンジンを使用している。音声と認識結果は紐づけて管理し、後から文字検索により音声を探し出せる。

 医療従事者の業務過多は以前から指摘されてきた。コロナ禍あっては、オンライン診療や電話診療、自治体や保健局が展開するホットラインなど診療スタイルも多様化し、その負担はさらに増大している。AmiVoice IC-Supportは、対面での診療や服薬指導のほか、オンライン診療、電話での診療・相談に対応できるという(図2)。オンライン診療には2021年3月に対応する予定だ。

図2:AmiVoice IC-Supportの利用シーン

 アドバンスト・メディアは今後、電子カルテシステムの開発・販売会社と連携し、構文解析により会話からカルテや書類を自動的に作成するなど、業務効率の向上で医療業界の働き方改善に寄与したいとしている。

 AmiVoice IC-Supportの価格は、買取りプランが20万円(税抜、以下同)、月額プランだと3500円である。なおアドバンスト・メディアは、AmiVoice IC-Supportの実証実験に参加できる病院や診療所、調剤薬局、保健所)を2021年3月19日まで募集する。