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衛星データから大気中のCO2濃度と排出/吸収要因を可視化するサービス、DATAFLUCTが開始
観測技術衛星「いぶき」の衛星データを活用し、大気中のCO2の濃度と経済活動を可視化する環境モニタリングサービスを、ビッグデータの分析サービスを手掛けるDATAFLUCTが2021年1月29日に提供開始した。カーボンリサイクルを地域でマネジメントするための指針となり得るという。同日に発表した。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)発ベンチャーでビッグデータ分析サービスを手掛けるDATAFLUCTの「DATAFLUCT co2-monitoring.」は、大気中のCO2濃度と、人口や緑地などCO2の排出/吸収要因の関連を可視化するサービス(図1)。同サイトから利用者登録などのなしに無料で提供する。
DATAFLUCT co2-monitoring.は、観測技術衛星「いぶき」からのCO2濃度と、GDPや人口といったCO2排出要因および土地が草や樹木などで覆われているかといった吸収要因を掛け合わせることで、地域の経済活動との関連性を算出する。
温暖化対策が世界全体で取り組むべき課題に位置付けられるなか、近年はCO2を資源ととらえ、回収したCO2を燃料や素材として再利用することで大気中への排出を抑制する「カーボンリサイクル」が注目されている。
DATAFLUCTは、co2-monitoring.について、次のような用途を想定する。政府や地方自治体などにおける、管轄エリアで排出されているCO2の吸収に必要な緑地などの都市整備計画の立案。企業が工場立地を選定する際に、排出するCO2を吸収できるポテンシャルのある場所の検討などだ。
DATAFLUCT co2-monitoring.のサイト上で地図のメッシュを指定すると、その範囲内のCO2濃度と指標の時系列推移が確認できる。2010年から2019年までのデータを1年単位で指定できる。ただし指定できる年数は、指標によって異なる場合がある。画面を左右に分割することで、時系列での比較も可能だ(図2)。
今後は、エリアのメッシュを細分化し、より限定した範囲のデータを表示できるようにするほか、企業活動によって発生するCO2排出量や、風向きや降水量、気温などの気象関連データなどのデータを拡充し、分析能力を高めるとしている。