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横浜銀行の非対面サービスを実現している業務アプリ、NTTデータが他行にも提供

DIGITAL X 編集部
2021年2月8日

金融機関が非対面での顧客サービスを提供するのに必要な業務アプリケーションの提供をNTTデータが開始した。外部サービスと既存システムなどをつなぐオンラインデータ連携基盤上で動作するソフトウェアで、基盤を含め横浜銀行と共同で開発してきた。金融機関間で共有することでサービスの開発期間短縮を目指す。2021年1月18日に発表した。

 NTTデータが提供するのは、金融機関が非対面での顧客サービスを提供する際に必要になる既存システムなどと連携するための業務アプリケーション。システム関連を司るオンラインデータ基盤上で動作する(図1)。オンラインデータ基盤も業務アプリケーションも、横浜銀行と共同で開発してきたものである。

図1:横浜銀行とNTTデータが共同開発したオンラインデータ連携基盤とシステム連携の概要

 今回、両者が他金融機関への提供で合意した。横浜銀行は、住所変更の諸届などの業務アプリケーションを開発し、約20種の顧客サービスの提供を始めている。今後、共同開発した業務アプリケーションの種類を拡大するとともに、同アプリを利用する金融機関同士でエコシステム「顧客サービスエコノミー」の構築を目指す。

 さらにNTTデータは、金融ITオープン戦略「Open Service Architecture」の一環である「API(アプリケーションプログラミングインタフェース)マーケットプレイス」を充実させ、金融機関における顧客サービスのレベルと業務の生産性の向上を図るという。

 オープンデータ連携基盤は、NTTデータが横浜銀行の非対面チャネルにおける顧客サービス提供に向けて2019年3月に構築した。ホームページやスマートフォン用アプリケーション、店頭タブレットなどにおける各種サービスを既存のバックオフィスシステムや銀行システムを連携する仕組みをAPIとして提供する。

 同基盤上で動作する業務アプリケーションは、住所変更といった諸届や口座開設、融資のレコメンドや申し込みなどの機能を提供する。横浜銀行で、データ連携基盤と業務アプリケーションを利用することで、例えば住所変更業務では年間8600時間の業務量を削減したとしている。

 オープンデータ連携基盤を使うことで、銀行業務を司るアプリケーションの一元管理が可能になり、複数チャネルへの統一したサービスが提供できる。開発済みアプリケーションを他業務に適用したり、既存銀行システムへの修正といった開発を極小化できる。

 コロナ禍にあって金融機関は、ネットやスマホアプリなどの非対面チャネルを使ったサービスの開発・提供が求められている。さらに、そのサービス内容を高めるためには、バックオフィス業務の効率化・自動化も進める必要に迫られている。