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画像解析の実行基盤を搭載した制御用エッジコンピューター、日立が発売

DIGITAL X 編集部
2021年2月19日

製造現場で機器を制御するためのエッジコンピューターを日立製作所が2021年2月1日に発売した。AI(人工知能)技術を使った画像解析の実行基盤を搭載する。製品の検査業務などへの適用を想定する。同日に発表した。

 日立製作所の「CE シリーズ組み込み AI モデル」は、産業機器などの制御用エッジコンピューター(図1)。米インテルと協業し、ディープラーニングを活用する画像解析の実行基盤を搭載した。製造業における製品検査など、目視による作業の効率化や自動化を可能にする。現場への設置を想定した熱設計により、ファンレス、スリットレス、スピンドルレスとした。

図1:日立制御エッジコンピューター「CE シリーズ組み込み AI モデル」の外観(左)と想定する事例

 搭載する画像解析の実行基盤は、インテルの「OpenVINOツールキット」。学習済みモデルを利用することで、従来の組み込み機器ではできなかった物体検出や骨格推定といったAI(人工知能)技術を使った仕組みを構築できるとしている。

 目視検査や点検の自動化・省力化では、例えば、現場に設置した各種カメラからの映像を分析し、組み立て作業が手順通りかどうかを判断するアプリケーションを組み込めばよい。

 現場機器からのデータのほか、現場環境の画像や電圧、振動、温湿度などのデータを収集し、業務システムのデータと統合・連携させれば、不具合発生時に影響範囲を特定したり、製品品質に影響を与える環境変化を検知したりが可能になる。

 複数の拠点やラインを遠隔で一元監視し、集めたデータを分析すれば、生産活動全体の最適化や、迅速な課題解決や意思決定のための材料を提供できるとしている。

 日立は今後も、インテルと連携し、AI技術を利用できる制御エッジプラットフォーム製品を提供し、国内外に販売したい考えだ。

 CE シリーズ組み込み AI モデルの価格は個別見積もりになる。