• News
  • 製造

気象予報に基づき発電計画を最適化できる家庭用燃料電池、パナソニックが発売

DIGITAL X 編集部
2021年3月8日

気象の変化に合わせて発電計画を最適化する家庭用の燃料電池を、パナソニックが2021年4月1日に発売する。携帯電話通信網を介してクラウドに接続して実現する。遠隔メンテナンス機能も備える。2021年2月17日に発表した。

 パナソニックが2021年4月1日に発売するのは、戸建住宅向け燃料電池「エネファーム」の7世代目の製品。携帯電話通信網を用いるLPWA(Low Power Wide Area)規格による通信機能を標準搭載し、常時クラウドに接続するのが特徴だ。同製品を管理・操作するためのスマートフォン用アプリケーションも2021年度上期中に提供する予定である。

写真1:7世代目の戸建住宅向け燃料電池「エネファーム」の外観

 クラウド接続により、気象予測データに基づいて運転モードを最適化する機能や遠隔からのメンテナンス機能などを装備した。

 気象データに基づく運転最適化では、深夜などエネファームが運転停止中に停電が発生しても、エネファームの再起動なしに電気を利用できるようにした。ウェザーニューズが提供する「停電リスク予測情報」を受信すると停電時に備えた待機モードに自動で切り替わる(図1)。

図1:停電時も電気を使えるよう、停電リスク予測に基づき発電待機モードに自動的に切り替える

 翌日の天気予報を基に運転計画を作成する「おてんき連動」機能も備えた。太陽光発電を併用している住宅であれば、晴天時は太陽光発電、夜間はエネファームというように太陽光発電を最大限に活用した電力の確保を可能にする(図2)。毎日18時にウェザーニューズが提供する1キロメッシュ天気予報を受信し、翌朝4時にその日の運転計画を作成する。

図2:天気予報と連動し、太陽光発電と組み合わせた発電計画の最適化を図る

 一方、遠隔メンテナンス機能では、検査項目やエラー内容に応じた適切なデータをリアルタイムに収集することで、現場で必要な保守作業を最低限に留めるように遠隔操作する。収集するデータ項目については、東京ガスの経験とノウハウを活用している。エネファームに組み込むソフトウェアの遠隔アップデートもできる。

 エネファームは、ガスで発電する家庭用の燃料電池。故障対応や発電時間に応じた定期点検が必要だが、これまでは実機を確認するまで稼働状況を正確に把握できないほか、利用者が不在で対応できないという状況が多発していたという。

 第7世代のエネファームは、パナソニックが全国の大手都市ガス会社やLPガス事業者などに供給し、それぞれが販売する。価格は販売元が設定する。