• News
  • 製造

製造設備や建設機械の故障予測や異常検知のためのデータ解析サービス、SBTが開始

DIGITAL X 編集部
2021年3月10日

製造設備や建設機械の稼働データををAI(人工知能)技術を使って解析するサービスを、SBテクノロジー(SBT)が2021年2月18日に開始した。データサイエンティストなどの専門家がいなくても、故障の予測や異常検知ができるよう機械学習プロセスの自動化を図る。同日に発表した。

 SBテクノロジー(SBT)の「ML Connect」(MLC)は、製造業や建設業を対象にしたデータ解析サービス。機械や設備などから収集した種々のデータをAI(人工知能)技術を使って解析する(図1)。社内にデータサイエンティストやAI技術に長けたエンジニアがいなくても、必要なデータをCSV形式で準備すればAI技術による解析ができるという。

図1:製造業や建設業に向けたデータ解析サービス「ML Connect」の利用イメージ

 専門家に頼らなくて済むのは自動機械学習(AutoML:Automated Machine Learning)を用いるため。機械学習モデルの設計と、開発時のアルゴリズム選定、およびAIモデル作成のプロセスを自動化する。

 自動機械学習では、複数のアルゴリズムから最も高精度の結果を自動で返す。データを使った学習結果は1日程度で入手できるため、成果検証が容易で、機械学習の早期導入が可能になるとしている。

 まず時系列予測モデル「ML Connect Forecast」を提供する。過去のデータから将来値を推測しオペレーションや施策の最適化を図る。工場や設備などのエネルギー管理や、製品・部品・材料などの需要予測などが可能になる。

 2021年3月末からは異常検知モデル「ML Connect Anomaly Detection」も提供する。過去のデータから異常値を検出し、設備や機器の故障を察知する。ラインの停止を最小限にしたい工場の設備や、保守コストが高い遠隔地にある設備などの異常検知に利用できる。

 MLCが用いる自動機械学習は、クラウド基盤「Microsoft Azure」(米マイクロソフト製)における機械学習サービス「Azure Machine Learning」が提供するものだ。

 MLCをSBTが提供するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤「IoT Core Connect(ICC)」と連携すれば、IoTデータの収集・管理・可視化からMLCへのデータ連携、データ解析結果の可視化までを一貫して実施できる。

 SBTは、データサイエンティストやAIエンジニアが構築を支援するサービスも用意する。導入前の課題整理から必要なデータの解析・提供・受託開発、導入後の運用までを支援する。

 MLCの利用料金はサービスプランによって変動する。1モデルを利用する場合の参考料金は、初期費用が40万円(税別、以下同)から、月額料金が5万円から。ICCの利用料金は別に発生する。