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図書館の蔵書を背表紙を撮影した画像から点検するサービス、京セラコミュニケーションシステムが開始

DIGITAL X 編集部
2021年3月16日

図書館の蔵書点検業務を支援するサービスを京セラコミュニケーションシステムが2021年2月25日に開始した。タブレット端末で複数冊の背表紙を撮影し、その画像をAI(人工知能)で解析することで、本を1冊ずつISBN(国際標準図書番号)で特定する。同日に発表した。

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の「SHELF EYE」は、図書館などの蔵書を点検するためのサービス(図1)。棚に並んだ状態のままで複数冊の背表紙をタブレット端末で撮影すれば、その画像をAI(人工知能)技術で解析することで、1冊ずつISBN(国際標準図書番号)を特定する。本を1冊ずつ取り出すことなく、蔵書を点検できる。

図1:「SHELF EYE」を用いた蔵書点検のイメージ

 点検時はまず、図書館が使用している蔵書管理システムから蔵書データをCSV形式でSHELF EYEに取り込む。SHELF EYEは蔵書データと本の特定結果を紐付ける。そのデータを再度、蔵書管理システムに取り込むことで所在不明の蔵書一覧が作成できる。

 日常的な書架の点検にも利用できる。蔵書の最終貸出日や貸出回数などの利用情報を蔵書管理システムから読み込んだうえで、タブレット端末上で「1年間貸し出しがない」などの条件を指定して棚を撮影すれば、条件にあう背表紙画像を赤枠で囲んで表示できるため、貸出頻度の低い本を書架から外すなど対象の本を視覚的に判断できる(図2)。

図2:書架点検機能による蔵書の条件検索の画面例

 蔵書点検は図書館におえる重要な業務の1つ。だが数万冊におよぶ蔵書の点検では、バーコードで1冊ずつ読み取る作業は、図書館を休館にし職員が総出で当たるなど大きな負担になっている。読み取り作業を軽減するためにRFID(ICタグ)を添付する仕組みもあるが、蔵書すべてにICタグを貼付する作業が必要など導入時の負担が大きいという難点がある。

 SHELF EYEのAI技術は、グループ会社のRistと共同で開発した。サービス開始に先立ち、千葉県船橋市の船橋市西図書館で実証実験に取り組んできた。将来的にはロボットやドローンなどを活用して書架の撮影を自動化したりAR(拡張現実)技術を使って点検業務の効率を高めたりする構想があるとしている。

 SHELF EYEの利用料金は、使用する拠点数や端末台数、蔵書数により異なる。基本機能版は初期導入費が40万円から、1アカウントが月額3万円から。