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防犯カメラの映像から人の異常行動などを解析・検知するシステム、日立産業制御ソリューションズが発売

DIGITAL X 編集部
2021年3月29日

カメラ画像から人の異常行動や侵入、放置荷物などを検知するシステムを日立産業制御ソリューションズが2021年3月9日に発売した。公共・交通機関などでの監視・警備の高度化を支援する。同日に発表した。

 日立産業制御ソリューションズの「インシデント検知ソリューション」は、防犯カメラの映像をAI(人工知能)技術で解析することで、異常な動きを検知できるシステム。人の急な走り出しや殴りかかるなどの喧嘩、しゃがみ込みなどのほか、特定エリアへの侵入や長時間の滞留、置き去りにされた荷物などを検知できるという(図1)。警備員の目視や第3者の通報によっていた情報の早期把握を可能にする。

図1:「インシデント検知ソリューション」では、一般的な動作と異なる動きを“異常行動”として検知する

 インシデント検知ソリューションでは、平常時の映像を学習することで、一般的な動作と比較して行動偏差の大きな行動を“異常行動”として検知する。異常行動を学習するための映像を不要にした。これまでは、検知対象とする異常行動を事前に定義し、AIに個別に学習させる必要があった。

 日立産業制御は、人物を発見・追跡するためのシステムとして「IVSearch」を2019年10月に発売している。IVSearchとインシデント検知ソリューションを連係することで、全身の特徴からインシデントの対象人物を発見し、移動経路の追跡や、その後の足取り調査まで、一連の監視・警備業務の高度化が可能になるとしている(図2)。

図2:「インシデント検知ソリューション」と「IVSearch」の連係のイメージ

 近年、テロ対策や事故対策として防犯カメラを用いた大規模なセキュリティシステムの導入が進んでいる。特に公共・交通機関などでは、事件/事故の発生時に利用者の安全確保や、施設閉鎖による社会的な機能停止の防止などが求められ、不審行動や不審物を発見した際には、より迅速な対応が求められるようになっている。人手に頼らない映像データの活用が、監視・警備業務の高度化には不可欠だという。

 インシデント検知ソリューションの価格は個別見積もりである。