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車載を考慮したエッジコンピューター、アプトポッドが発売

DIGITAL X 編集部
2021年3月29日

車載対応型のエッジコンピューターをIoT(Internet of Things:モノのインターネット)用基盤ソフトウェアなどを提供するアプトポッドが4月から発売する。車載機器に求められる規格に準拠する。2021年3月8日に発表した。

 アプトポッドの「EDGEPLANT T1」は車載対応型のエッジコンピューター(図1)。自動車やバス、トラックなどのほか、建設機械や農業機械、ロボットなどへの搭載を想定する。

図1:「EDGEPLANT T1」は車載を前提としたエッジコンピューター

 SIMスロットを搭載し、GPUによるエッジでの画像処理やGPS(全地球測位システム)機能を持つほか、特定のCAN(Controller Area Network)信号で起動する「Wake on CAN」に対応し、エンジンの始動/停止に連動した自動起動/シャットダウンなどが可能だ。CAN-USB/ANALOG-USBのインタフェースを介し種々のデバイスを接続できる(図2)。

図2:「EDGEPLANT T1」でのシステム展開例

 EDGEPLANT T1は、車載機器に求められる「EMC規格(Eマーク)」および信頼性規格「JASO D014」に準拠する。Eマーク準拠により、周辺機器や車両の電源系統へのノイズ伝搬を抑制し、電磁波への耐性を示すイミュニティ性能を持つ。JASO D014準拠では、過電圧や逆極性電圧への保護機能や耐振動・耐衝撃性能を持つ。マイナス20度から65度で動作し、電源電圧も9~36Vに対応する。

 車載仕様として、意図しないケーブル抜けを防ぐロック機構付きUSB 3.0コネクターを採用。電源管理とフォルト監視を目的にMCUを独立させたり、防塵と冷却性能の両立に向けファンをきょう体の外付けにしたりしている。

 アプトポッドはこれまで、無線環境経由でのIoT関連データを遅延なく処理するためのIoTプラットフォーム「intdash」を提供し、コネクテッドカーなどのデータ収集・分析を支援してきた。エッジコンピューティングへのニーズが高まる中で、必要なエッジコンピューターなどを調達してきたが、車載を前提とした製品がないことから、自ら開発し販売することにした(図3)。

図3:EDGEPLANTとIoTプラットフォーム「intdash」の連携イメージ

 今後は「EDGEPLANT」ブランドで、IoT用エッジコンピューターのシリーズ展開を図りたい考え。動画像のAI(人工知能)処理や複数カメラによる動画のエンコード処理、AIのための学習データ収集、ロボティクス分野でのデータ処理などに向けたハードウェアの投入を計画している。