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電子部品メーカーへのクレームの初動対応を支援するAIシステム、図研プリサイトが発売へ

DIGITAL X 編集部
2021年4月2日

電子部品メーカーに寄せられるクレームへの初動対応を支援するAI(人工知能)システムを、図研プリサイトが2021年4月1日に発売した。過去の類似クレームを探したり、それらを分類しグラフ表示したりするほか、対応状況の共有も可能にする。2021年3月15日に発表した。

 製造業を対象にITシステムなどを提供する図研プリサイトの「Qualityforce」は、電子部品メーカーの品質保証部門を対象にしたクレーム対応の支援システム(図1)。顧客からのクレーム内容から過去の対応データベースを検索し、クレームに対する責任の所在と切り分け、原因の推定、取り得る対策とその根拠を提示する。

図1:電子部品メーカーへのクレーム対応を支援する「Qualityforce」のシステム構成(同社Webサイトより)

 Qualityforceが提供する機能は、(1)類似クレームの表示、(2)過去の類似クレームの分類とグラフ化、(3)関係者との情報共有などである。

 類似クレームの表示では、顧客からのクレーム内容をAI(人工知能)技術が認識し、蓄積している過去のクレーム情報から関係性の高いものを抽出する(図2)。例えばクレーム内容に「発火」という言葉が含まれていれば、「製品が燃えた」といった言葉で登録されてる過去のクレーム情報も探し出し、検索時の複雑な条件入力の手間を省く。

図2:顧客からのクレームから過去の類似クレームを抽出する

 類似クレームの分類とグラフ化では、過去の類似クレーム情報を原因別や製品別、製造工場別などに分類しグラフ表示する(図3)。グラフの要素をクリックすれば、より詳細な分類を確認できる。「はんだ不良」や「外観不良」などのタグを自動で付与することで、影響に応じて情報を共有すべき部門などの判断を容易にする。

図3:類似クレーム情報を原因別や製品別、製造工場別などに分類しグラフ表示する

 関係者への情報共有では、クレームの発生や対応状況を関係者に自動で共有できる(図4)。テレワーク環境にあっても、必要な情報や知識を共有でき連携漏れを防げるとしている。

図4:クレームの発生や対応状況は必要な関係者と自動で共有できる