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人の顔を特定せずに暗い場所での見守りを可能にするサービス、三菱電機インフォメーションシステムズが提供へ

DIGITAL X 編集部
2021年4月2日

プライバシーに配慮した見守りなどが可能なサービスを三菱電機インフォメーションシステムズが2021年7月から、介護施設などを対象に開始する。三菱電機と開発した暗い場所での転倒やうずくまりなどを赤外線センサーで取得したデータから検知する技術を利用する。2021年3月15日に発表した。

 三菱電機インフォメーションシステムズ(MIS)が2021年7月に提供を始める「kizkia-Knight(きづきあ-ないと)」は、暗い場所や夜間でも転倒やうずくまりといった異常を検知するクラウドサービスだ。これまで提供していた検知サービス「kizkia(きづきあ)」の夜間対応バージョンである。

図1:「kizkia-Knight」の利用イメージ

 kizkia-Knightの特徴は、赤外線センサーで得た熱画像から人の動きを検知できること。対象となる人の顔といった身体的特徴を特定しないため、プライバシーに配慮しながら人の挙動を把握できる。監視カメラの設置が難しいトイレや介護施設の居室などへの設置が可能になる。

 MDISは、まずは介護施設などを対象としたサービスとして提供を開始する。熱画像をAI(人工知能)技術を使った解析・検知する画像そのものを見守る必要がなく、24時間365日の見守りを可能にする。検知した情報はスマートフォンやタブレット端末などに通知する。

 熱画像検知の技術は三菱電機と共同で開発した。サーマルダイオード赤外線センサー「MelDIR」(三菱電機製)で人やモノの表面温度データを取得し、その熱情報からシルエット画像を生成。その画像をAI技術「Maisart」(同)で解析することで、転倒やうずくまりなど特定の動きや姿勢を検知する。

 監視カメラはこれまで、過去にさかのぼって状況を確認するために設置され、防犯と犯罪抑止が主目的だった。近年は自宅のペットや子供、遠方に住む親などを見守るために設置する用途が広がっている。

 ただ見守り用途では、見守られる人のプライバシーへの配慮が求められるようになっており、顔など身体的特徴が映ってしまう通常の監視カメラの映像の利用は難しいケースも増えている。

 MDISは今後、介護以外の防犯分野などにも適用範囲を拡大した考えだ。