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工場とプラントに特化したセキュリティー構築サービス、日立製作所が開始

DIGITAL X 編集部
2021年4月6日

工場とプラントに特化したセキュリティー構築サービスを日立製作所が2021年3月17日に発売した。セキュリティリスクの洗い出し機能を強化し現状把握に重点を置く。ネットワークを常時監視する仕組みも提供し、現状を継続的に把握できるようにする。同日に発表した。

 日立製作所の「制御システム現状把握ソリューション」は、工場やプラントにおけるセキュリティ対策に不可欠な現状を把握するための仕組みである。同社の大みか事業所における運用実績ノウハウを元に開発した(図1)。現状を迅速かつ効果的に把握したうえで、ネットワークを守る仕組みを継続的に更新することで、セキュリティ対策の効率化と省力化、および最適化の図る。

図1:工場/プラントを対象にした「制御システム現状把握ソリューション」の概要

 制御システム現状把握ソリューションの特徴は、ネットワーク内の情報を多層防御・検知のための技術を使った可視化装置を使って収集する点。ネットワークやソフトウェアの構成を変更することなく、ネットワークに接続されている機器の数や論理的な接続状況を把握することで、顧客自身も認識していないリスクを洗い出すという。

 加えて、セキュリティコンサルタントによるヒアリングに加え、調査員が現場を目視で調査する。機器の外観やケーブル配線状況などを実際に確認して、機器の一覧やフロアレイアウト、物理配線の現状を把握する。さらに通信ポートの物理ロック状況や、アクセス制限、パスワード管理など制御セキュリティの観点からも調査する。

 これらの調査により、資産の情報およびセキュリティ対策状況を統合・整理することで、現状の改善点やリスクの識別評価に基づき、より効果的なセキュリティ施策を提案するとしている。

 可視化装置は常時接続することで、ネットワーク構成の変更も検知する。可視化装置で収集するセキュリティ対策情報は、企業が持つ資産管理情報と連携することで、資産管理とセキュリティ対策管理の一本化を図り運用時の省力化につなげる。

 日立は2019年6月5日から「工場向けサイバーBCP リスクアセスメント」を提供してきた。ただ現状把握はコンサルタントによるヒアリングを中心で、そこに多くの工数がかかり、全体を正確に把握しづらいというケースが発生していた。

 制御システム現状把握ソリューションの料金は個別見積もり。日立は今後、工場/プラントのほか、電力・鉄道などの社会インフラを対象にしたセキュリティ対策も提供するとしている。