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DXを推進するリーダー人材が求めるのは“刺激し会える仲間”、NTTデータ経営研の調査
DXに取り組むエンジニアを率いるリーダーの85%が転職経験者で、転職志向が強い--。こんな調査結果をNTTデータ経営研究所が2021年3月25日に発表した。そんな彼らが求めているのは“刺激し会える仲間”だという。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進においては人材不足が常に指摘されている。そうした中、NTTデータ経営研究所が「NTTコム リサーチ」(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが運営)に登録する20代~40代のエンジニアを対象に『デジタルリーダーの志向性調査』を実施した。
ここでの「デジタルリーダー」とは、「『デジタル技術に秀でた人材』をまとめながら、デジタル技術を事業や商品・サービス、業務の変革に結びつけ、プロジェクトを推進する人材」である。「デジタル技術に秀でた人材」は「デジタルエンジニア」として分けている。
同調査によれば、デジタルリーダーに相当する人材は全体の2.4%、デジタルエンジニアも6.1%しか存在せず、「DX人材の不足」を改めて浮き彫りにした。
そのデジタルリーダーは、約85%が転職経験者で、その割合はデジタルエンジニアの約1.4倍、一般層の約1.6倍である(図1)。かつデジタルリーダーの約83%は現在も転職の意向があり、約46%が1年以内の転職を考えている。
デジタルリーダーの転職理由には、「より高い報酬を得る」「スキルアップの学びができる環境で働く」ことが挙がる(図2)。それに並んで「能力が高く刺激し合える同僚と互いに協力的で尊重し合える社風」が重視されている(図2)。
そのうえで「知的好奇心が満たされる仕事内容を重視し、帰属する企業がスキル形成の機会を提供すること」を期待する(図3)。
一方のデジタルエンジニアも、転職理由は「より高い報酬を得る」「スキルアップの学びができる環境で働く」ことであり、自身と価値観が合う社員が多いことや風通しが良い社風、リモートワークなどを挙げる。デジタルリーダーがチームワークや同僚との“高め合い”を重んじるのに対し、デジタルエンジニアはコミュニケーションにおける “摩擦”がない状態を好む傾向があった。
NTTデータ経営研究所は、今回の調査結果から、 絶対数が少なく転職流動性が高いデジタルリーダ―を企業が確保するためには、「優秀な人材が集まるチームやプロジェクトへ配属し、彼らの知的好奇心を刺激するようなミッションを与え続けながら、社員同士が高め合い成長できる環境を提供できるかどうかが重要になるだろう」としている。