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AIへの投資目的で「新規ビジネス創出」が50%超に、デロイト トーマツの調査
企業のAI(人工知能)技術への投資目的において「新規ビジネス創出」が前年から11ポイント増の56%に−−。こんな調査をデロイト トーマツが2021年3月31日に発表した。コロナ禍で企業が事業変革に向けたAI活用に取り組んでいる表れだという。
デロイト トーマツの『AIガバナンス サーベイ』は、日本企業のAI(人工知能)技術の利用状況やリスク管理・ガバナンス構築に関して、全業種・全部門を対象にした実態調査。2019年に第1回を実施し、2回目の今回は2020年12月から2021年1月にかけてオンラインで実施した。91件の有効回答を得た。
AIを「利活用している」との回答者は85%で、第1回から29ポイント上昇した。うち、本格運用に先立つ技術検証まで実施している企業は前回の47%から70%に上昇。技術検証を実施した回答者の81%が「本番運用まで至っている」とした。
AIへの投資目的としては、「新規ビジネス創出」が11ポイント増の56%になり、「既存ビジネス売上拡大」の49%を上回った。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により社会変容が起きる中で、事業変革に向けたAI活用に取り組んでいる表れだという。
目的で最も大きかったのは第1回と同様に「業務効率化」(86%)だった。それに「コスト削減」(58%)が続く(図1)。デロイト トーマツは「成果が見積もりやすい領域から取り組んでいる」と分析している。
調査では、企業が抱えているAIに関する課題を(1)戦略、(2)人材、(3)プロセス、(4)データ、(5)テクノロジーの5つの観点から聞いている。
戦略については回答者の51%が「継続的なイノベーションの文化が組織に組み込まれていない」とした。人材面では52%が「組織的な変更を推進できる人材がいない」とし、プロセス面では63%が「AIを活用するためのアジャイルなプロセスがない、十分に確立されていない」としている。
データの課題では、「データの所在が散らばっている」と「データの品質管理や整備がされていない」とする回答が、それぞれ46%だった。テクノロジー領域では、「内製化が進んでいない、内製化で取り組むべき範囲が明確になっていない」が63%と高かった。