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国内IoT市場は2025年に10兆1902億円へ、IDC Japanの調査

DIGITAL X 編集部
2021年4月26日

日本のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場におけるユーザー支出額は2025年には10兆1902億円に達すると、IDC Japanが2021年4月7日に発表した。2020年の支出額は6兆3125億円を見込み、2020年から2025年までの年間平均成長率(CAGR)は10.1%になる。

 IDC Japanの『国内IoT市場 産業分野別予測、2021年~2025年』は、国内IoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場を対象にした産業分野別調査。同調査によれば、IoT市場におけるユーザーの支出額は、2020年は6兆3125億円を見込み、2025年には10兆1902億円に達する(図1)。この間の年間平均成長率(CAGR)は10.1%だ。

図1:国内IoT市場における2020年から2025年までの支出額予測(2020年は見込み値)

 産業分野別に見ると、個人消費者を除いて支出額が多いのは「組立製造」「プロセス製造」「官公庁」「公共/公益」「小売」「運輸」である(図2)。製造現場へのIT/IoTの導入が推進されていることや、社会インフラの老朽化対策や交通システムの高度化、スマートグリッド(次世代送電網)に対する支出増、サプライチェーンでのIoTの利用拡大などが支出額を押し上げている。

図2:産業分野別にみた国内IoT市場の2020年の支出額(見込み)と2025年までの(CAGR:年間平均成長率)

 その他の産業分野では、農業現場をIoT機器などにより監視して可視化する「農業フィールド監視」、種々のセンサーや制御システムによってビルの環境を管理する「コネクテッドビル」なども成長が期待されるという。

 個人消費者分野も堅調に成長し、「組立製造」「プロセス製造」に次ぐ市場規模を維持している。個人消費では、IoTやAI(人工知能)を取り入れたスマートホームにおける家電や、オートメーション機能などのユースケースが牽引する。

 IDCは、国内IoT市場の成長継続要因としては2つ挙げる。1つは、労働人口不足に対する懸念の広がりや、アナリティクスツールやAI基盤の高度化など、外部環境の変化である。

 もう1つは、データに対する企業の認識の変化だ。データを企業間/産業間で流通させるデータシェアリングやデータ取引の仕組みの充実、データの管理や分析をオンラインで提供するDaaS(Data as a Service)などサービスモデルの考案、データの取り扱いに関する法規制の整備などが進んでいるとする。新たなサービスに必要なデータの取得や、取得したデータの社外販売を目的としてIoTを導入する企業も増えるとみる。