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対話型AIシステムを開発するためのフレームワーク、米NVIDIAが提供開始

DIGITAL X 編集部
2021年4月29日

企業が自社の業界や製品、顧客に合わせた対話型AI(人工知能)サービスを構築するためのフレームワークを米NVIDIAが2021年4月12日(現地時間)に提供を開始した。リアルタイムな音声サービスを開発できるという。同日に発表した。

 米NVIDIAの「NVIDIA Jarvis」は、GPU(Graphics Processing Unit)を使った対話型のAI(人工知能)サービスを構築するためのフレームワーク。言語ベースのアプリケーション開発を可能にし、人とコンピューターとの“やりとり”を実現する。

 具体例として、患者を24時間モニタリングする「デジタル ナース」や、消費者が求めている商品を理解したうえで最適な商品を提案する「オンラインアシスタント」、国境を越えた共同作業コンテンツ視聴を可能にする「リアルタイム翻訳」とったサービスを挙げる。

 Jarvisは、学習済みのディープラーニング(深層学習)モデルとソフトウェアツールを用意する。利用企業の開発者は、トレーニング済みモデルをカタログから選択した後、「Transfer Learning Toolkit」を使って自社データによる再学習を実施すれば良い。処理能力の最大化と処理遅延の最小化を図り、数行のコードを書けば対話型AIサービスを構築できるという。

 開発したアプリケーションは、数百万GPUによるアクセラレーションにより、音声処理を100ミリ秒未満で実行でき、聴き取りや内容の理解、応答といったサービスを数百万ユーザーに提供できるという。

 ディープラーニングモデルは、10億ページ以上のテキストと6万時間分の音声データを使ってトレーニングされているという。音声データの確保では、Mozillaコミュニティが展開する「Mozilla Common Voice」と連携している。Common Voiceは、60言語、9000時間分という世界最大規模のパブリックドメインの音声データセットを持つ。NVIDIAはトレーニング済みモデルをコミュニティに無償で還元する。