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患者や医師の移動を対象にしたMaaS事業の開発プログラム、MONETとシミックが開始

DIGITAL X 編集部
2021年5月3日

患者や医療従事者の移動手段としてMaaS(Mobility as a Service)を利用する事業の開発に向けたプログラムを、MONET Technologiesとシミックホールディングスが2021年6月に開始する。異業種多分野の複数社で事業共創プロジェクトなどを組成し、各社の技術やアイデアを融合させた事業の創出を図る。2021年4月15日に発表した。

 「MONET LABO(モネラボ)『医療』」は、医療・ヘルスケア領域のMaaS(Mobility as a Service)事業を開発するためのプログラム。MaaS(Mobility as a Service)用データ基盤などを提供するMONET Technologiesと、医薬品開発支援などを手がけるシミックホールディングス(シミックHD)が2021年6月に開始する。

 MaaSを組み合わせる医療課題としては、移動手段が少ない地域における患者・家族の通院負担や、在宅医療に対応する医療従事者の負荷増大などを想定する。患者や医療従事者が移動手段に依存せずに医療サービスを享受/提供できるようにすることで、医療の持続可能性を高め、地域による医療供給格差の是正を目指す。

 MONET LABO「医療」では、参画企業を募り、新たな事業アイデアの創出から実証実験の実施までを支援する。医療や交通以外の業種からの参入を含め、参画企業が持つ技術やサービス、アイデアなどを融合させることで、患者と医療従事者の双方が使いやすく継続性が高い事業の創出を目指す。

 具体的な活動は「親会」と「子会」に分かれる。親会はすべての参画企業が参加できる会。医療業界の事業構造の理解を深めるためのオリエンテーションや、医療MaaSの社会実装に向けた課題の共有、事例紹介のためのセミナーなどを実施する。

 子会は、具体的なテーマに取り組む事業共創プロジェクト。異業種多分野の複数社で組成する。課題の深掘りと再定義から、共創デザインによる事業アイデアの創出、ステークホルダーからの評価、ビジネスモデルの立案、自治体への提案、事業化に向けた実証実験の実施までを手掛ける予定だ。

 活動においては、MONETが全般的な運営管理を担い、シミックHDはセミナーやワークショップの企画・運営、複数企業による自治体の課題解決に向けたプログラムの推進を担当する。共同で種々のヘルスケアデータの活用支援なども進める。

 MONET LABO「医療」に参加できるのは、MONETが運営する「MONETコンソーシアム」の加盟企業。同コンソーシアムの加盟費とは別に年間55万円(税込)の会費を支払う必要がある。

 なお創設イベントを2021年5月中旬に開催し、プログラムの概要や、医療MaaSに関する事業開発の支援内容などを説明する予定である。