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AIシステムの内製化を可能にするノーコード開発環境、AI insideが提供開始
AI(人工知能)モデルを利用部門などが自ら開発するためのノーコードの開発環境を、AI関連サービスを提供するAI insideが2021年4月21日に発売した。開発を第3者に委託しないことで、AIシステムの導入・運用にかかる期間とコストを削減できるとする。同日に発表した。
AI(人工知能)関連サービス事業を手掛けるAI insideの「Learning Center」は、AIシステムのためのモデルをノーコードで開発・実行するためのクラウドサービス。AIシステムの企画からデータの収集・管理、AIモデルの生成・配信、追加学習による精度の改善にまで対応する(図1)。開発したAI機能はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)として提供、他システムに組み込める。
日本語表示のUI(User Interface)を備え、AIやプログラミングの専門知識がなくてもAIモデルを開発できるとしている。用途としては、独自帳票の読み取り、外観検査、品質管理、安全管理、画像診断補助などを挙げる。
Learning Centerの利用企業の1社に大日本印刷(DNP)がある。ICカードの出荷時のホログラム外観検査用のAIシステムを製造現場のスタッフが開発し利用している。企画から学習用データセットの作成、AIの開発・精度検証までを30日で終えられたという。学習用の画像データは約100枚で、約90%の精度を実現したとしている。
DNPは、AI insideとの連携を強化し、Learning Centerを使ったAI活用支援サービスの提供にも乗り出す。Learning Centerの導入企業に対し、課題の抽出や活用アイデアの提示、業務改革(Business Process Re-engineering:BPR)支援、およびモデル開発に必要な学習データの作成を代行する「アノテーションBPO」やデータの収集・保管サービスなどを提供する。
国内のAI市場では、実証実験から本格導入に移行する企業が増えている。AIシステムの活用による生産性向上や業務効率化が目標だ。ただ、AIシステムの開発では専門知識が求められ、利用企業にとっては人材不足が課題になり、AI関連ベンダーやプログラマーのサポートを必要としている。
結果、業務課題や現場のノウハウをAI関連ベンダーなどに伝えるためのコミュニケーション負担が増し、導入までの期間が伸び、AIシステム活用の障壁の1つになっている。これら課題の解消策の1つとして、専門人材がいなくても利用企業自身がAIモデル/システムを開発する内製化への期待が高まっている。
Learning Centerの利用料金は、学習データ作成までは無料、設計したモデルの学習が月額10万円、学習したモデルの利用は月額3万円になる。