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コンタクトセンターのFAQを応答履歴から更新するAIシステム、三井情報が発売

DIGITAL X 編集部
2021年5月12日

コンタクトセンター業務の効率を高めるためのサービス群の販売を三井情報が2021年4月26日に開始した。第1弾として、コンタクトセンターにおけるFAQ(良くある質問と答)の更新候補を、顧客との応対履歴からAI(人工知能)技術を使って抽出するサービスを発売した。同日に発表した。

 三井情報の「MKI AI/Managed AI(MAI MAI(マイマイ))」は、コンタクトセンターの業務効率を高めるためのサービス群。その第1弾として「Q&A生成サービス」を発売した。顧客との応対履歴からFAQを追加・修正するための候補をAI(人工知能)技術で抽出し生成するもので、FAQの定期的な更新を容易にすることで、顧客対応にかかる平均時間の低減や応対時の品質向上を支援する(図1)。

図1:「Q&A生成サービス」の利用イメージ

 Q&A生成サービスでは、既存のFAQシステムを、そのまま利用する。AIシステムの精度を高めるためのに必要な学習データも、蓄積されている応対履歴から、データの重複や誤記、表記の揺れなどを削除・修正してシステムが用意する。顧客との通話録音データをQ&Aデータとして使用する場合は、オプションの「音声データの文字起こしサービス」が使える。

 生成されるQ&Aの候補は、新規のFAQとして構築したり、AIチャットボットの学習データとしても利用したりができる。三井情報は、MAI MAIのサービスの第弾として、Q&A生成サービスが生成するデータを利用するAIチャットボットの提供を予定する。

 コンタクトセンターでは近年、オペレータの負荷軽減を目的にFAQやチャットボットなどのツールが導入されている。ただ、これらのツールの活用には回答情報の重複や陳腐化を防ぐための定期的な保守・更新が必要で、そのためのQ&Aデータを整備することが現場の負担になり、ツールの継続利用を阻む課題にもなっている。

 Q&A生成サービスの利用料金は、初年度が初期費用120万円を含めた420万円(税別、以下同)で、2年目からは年間400万円になる。初年度はQ&A候補の生成は3回、次年度以降は年4回の生成になる。文字起こしサービスは300時間分までが80万円、300時間超は10時間ごとに3000円が加算される。