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レガシーアプリケーションをコンテナ対応に自動変換するツール、韓国TmaxSoftの日本法人が発売
デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みにおいて「2025年の崖」とも呼ばれるメインフレーム上のレガシーアプリケーションを、最新のソフトウェア実行環境であるコンテナに対応したJavaのコードに自動変換する製品を、韓国TmaxSoftの日本法人が2021年5月28日から提供する。メインフレームの維持・運用費を50%以上削減できるとする。2021年4月7日に発表した。
韓国TmaxSoftは、Oracle互換データベース「Tibelo」などを開発するソフトウェアベンダー。同社日本法人が2021年5月28日から提供する「OpenFrame 21」は、メインフレーム上で動作しているレガシーアプリケーションをオープンシステム環境へ移行するためのツールの最新版である。
Javaのコードに自動変換するだけでなく、最新のプログラムの実行環境であるコンテナに対応するマイクロサービスアーキテクチャーへの移行に対応した(図1)。マイクロサービスアーキテクチャーは、プログラムを複数の小さなサービスの集合体として開発・実行する考え方で、変化への追従性が高いとされている。
変換後のアプリケーションは、コンテナに対応している実行環境であれば動作する。業界標準に基づいているため、任意のクラウド環境を選択できる。
OpenFrame 21で、レガシーアプリケーションを自動変換するのが「OpenFrame T-Up」機能である。分析機能の「OFMiner」と変換機能の「OFMigratior」からなる(図2)。
OFMinerは、Javaプラットフォームに移行する際に生じる可能性のあるリスクを検出し、その結果と変換率をダッシュボードに出力する。ビジネスロジックのフローと各リソース間の関係理解に役立つ関数を提供し、例えば、特定のCOBOLプログラムの変更において、影響を受けるプログラムとデータを確認できる。
分析対象は、COBOLやPL/Iといったプログラム言語、ASM(アセンブリ言語)、JCL(ジョブ記述言語)、BMS(Basic Mapping Support)などである。
OFMigratiorは、レガシーアプリケーションのコードを、マイクロサービスアーキテクチャーベースのJavaフレームワーク向けに最適化したコードに自動変換する。アプリケーションやデータ、リソースを、まとめて扱えるように定義したJavaのクラスに変換する。
変換後のアプリケーションは、統合ミドルウェア基盤「ハイパーフレーム」上で動作する。ハイパーフレームは、システム全体を統合した中間環境として、Webアプリケーションサーバーやフレームワーク、モニターシステムを提供する。
OSS(オープンソースソフトウェア)の利用を容易にする機能や、システム負荷に応じてクラスタ容量を調整するスケーリング機能なども用意する。OpenFrame 21自体は、Linux系OS上でコンテナを管理する「Kubernetes」上で動作する。