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電力使用量の内訳データ、電流波形分析ベンチャーのEnergyColoringが提供開始

DIGITAL X 編集部
2021年5月18日

センサーで測定した電力使用量から、その使用目的別に内訳を分析した結果を提供するサービスを、電流波形分析を手掛けるベンチャー企業のEnergyColoringが開始した。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組むに当たり必要なデータがないとする顧客を持つAI(人工知能)技術分野のベンチャー企業を対象に提供する。2021年4月19日に発表した。

 EnergyColoringは、電流波形分析や、電流データを取得するための仕組みの開発などを手掛けるベンチャー企業。このほど、同社の技術を使って取得した電力使用量を分析することで、使用目的別に内訳を示す“カラーリング”データをAI(人工知能)技術系のベンチャー企業を対象として提供を開始した(図1)。脱炭素や異常検知、予防保守といったサービスの開発に利用できるとする。

図1:EnergyColoringが提供する電力使用料の内訳データの例

 同サービスの利用企業はまず、EnergyColoringが開発する電流測定機能「エナジーカラリング」の提供を受け、それを顧客企業あるいは、その顧客である一般消費者の電力メーターに設置する。エナジーカラリングは、センサーで測定したデータをスマートフォンを使ってクラウドに送信する仕組みである。

 エナジーカラリングで測定したデータは、EnergyColoringが運営するクラウド環境で分析し、空調や照明、オフィス機器などの用途別に分解(カラーリング)した個々の消費電力量を示すデータをAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)として提供する。

 提供されるデータとしては、センサー設置1分後に総消費電力を示す1次元時系列データを提供する。センサー設置から2〜7日後には、5〜15次元にカラーリングした内訳データを、最大1分値1分遅れで提供する。内訳電力データの用途を特定しての提供も可能だという。

 ゼロエミッションへの関心が高まる中、スマートメーターによる消費電力データへの関心が高まっている。一方で、AI技術などを持つベンチャー企業は、スマートメーターによる電力消費データの測定・取得手段を持たず、顧客企業にAI技術活用を提案しても「必要なデータを持っていない」と言われる課題に直面しているという。
対応する。

 EnergyColoringは、同社技術によるカラーリングした電力消費データをAI関連のベンチャー企業に提供することで、低炭素化につながるサービスの開発につなげたい考えだ。