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建機の遠隔操作システム、米キャタピラー日本法人が2022年に発売

DIGITAL X 編集部
2021年5月25日

ブルドーザーや油圧ショベルなどを遠隔操作するためのシステムを米キャタピラー日本法人が2022年に発売する。現場の安全性や作業効率の向上、オペレーターの疲労軽減に寄与するという。2021年5月12日に発表した。

 米キャタピラー日本法人が2022年に発売する「Cat Command(Catコマンド)ステーション」は、建設現場において同社製のブルドーザーや油圧ショベルなどを遠隔操作するためのシステム(図1)。オペレーターの負荷を軽減しながら、作業効率を高められるという。

図1:建機を遠隔操作する「Catコマンド ステーション」のシステム構成

 例えば、急斜面や不安定な足場、危険物や落下物の可能性がある危険な現場などでも、遠隔地から操作することで安全性を高めたり、現場の振動や騒音などの影響を受けないためオペレーターの疲労を軽減できたりが可能になる。

 現場への移動が不要になるほか、建機への乗降もなくなるため、建機の横転や墜落によるオペレーターの危険を回避できるとしている。

 操作は、仮想の運転席「仮想キャブ」で実施する(写真1)。実際の建機と同様の運転席とレバーなどの操作入力装置、そしてモニターを備える。現場と仮想キャブの間は、インターネットや専用回線など任意の方式で接続できる。

写真1:「仮想キャブ」で遠隔作業する様子の例

 仮想キャブのモニターには、建機の車載カメラおよび現場に設置する俯瞰カメラで撮影した建機の周辺映像を表示し、運転席から現場を見ているような感覚を提供する。実機同様のメーター群も表示する。

 仮想キャブからは、複数の建機を切り替えて操作できる。1人のオペレーターが複数の現場や作業の掛け持ちが可能になる。

 遠隔操作する建機には、別売の車載キットを後付けする。対応モデルは順次拡大する予定である。