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工場用ロボットのデータ共有基盤にブロックチェーン技術を適用、Datachainが開発
工場で稼働するロボットのデータを、利用者やメーカー、インテグレーターなどの間で安全に共有するための基盤を、ブロックチェーン技術を手がけるDatachainが開発し実証実験を実施した。ブロックチェーン技術を適用することで、稼働状況を把握するためのコストの低減や、トラブル発生時の早期対応への有効性を確認できたという。2021年5月14日に発表した。
ブロックチェーン技術を研究開発するDatachainが構築したのは、工場内で稼働している複数メーカー製のロボットの稼働状況を示すデータを関係者間で共有するための基盤。このほど、工場設備のトラブルの未然防止や予兆管理、トラブル発生時の対応精度の向上などを目標にした実証実験を、ロボットの大手グローバルメーカーと共同で実施した。
データ共有基盤は、ブロックチェーン技術を使って構築した。ロボットを導入している製造業の本社や工場のほか、ロボットのメーカーや、工場システムのメーカーといった関係者間で、ロボットの稼働状況を共有できるようにするのが目的だ(図1)。一般には、必要な情報が、会社や部署ごとに分散して保存されているという。
実証実験の結果、(1)設備の稼働状況の確認コストの低減、(2)トラブル発生時の早期対応の2つの観点で有効性が認められたという。稼働状況の確認では、関係者がデータ共有基盤を介して経過を時系列で把握できた。トラブル対応では、ロボットのプログラムや現場の画像をロボットメーカーなどと共有することで原因究明にも有効活用できるとしている。
共有基盤にブロックチェーン技術を採用したことは、不正や改ざんのリスク低減につながっていると評価する。将来的には、ロボットのデータに限らず、スマート化が進む工場全体のデータ共有基盤になるよう拡張したい考えだ。
ブロックチェーン技術としては「Hyperledger Fabric」(v2.0系)を利用している。そのうえで(1)データの秘匿性を管理するためアクセスコントロールを実現する「Private Data Collection」と(2)工場設備へのアクセス権限を管理するためにアクセス権限をチェーンコードに保持する「key-level endorsement policies」を活用している。