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事故車の修理費をAI技術使い自動で見積るシステム、コグニビジョンがトヨタの協力を得て開発

DIGITAL X 編集部
2021年6月2日

事故車の修理費をAI(人工知能)技術を使って自動で見積もるシステムを、同分野を専門にするコグニビジョンが2021年5月19日に発売した。メーカーの修理書・車両構造情報に基づく修理方法や業界標準指数に沿って算出する。トヨタ自動車の協力を得て開発した。この種のシステムは、これが世界初という。同日に発表した。

 事故車修理費見積りシステムを専門にするコグニビジョンの「Espart Pro」は、事故車の修理費見積りにAI(人工知能)技術を活用するシステム。経験や知識がなくても、車両の構造データなどから修理方法や見積金額を算出できる。小規模なダメージの場合、見積りにかかる平均作業時間を30分から6分へ短縮できるとする。トヨタ自動車の協力を得て開発し、すでにトヨタ系列の販売店が利用を始めている。

 Espart Proでは、事故車両を写した画像データを取り込み、損傷箇所の範囲を指定すると、損傷部位や損傷度合(損傷レベル)をAI技術が判断し提示する。提示内容を選択していけば、メーカーの修理書・車両構造情報に基づいた修理方法や、業界標準指数の考えに沿った見積額が自動で算出される。

 現在、自動見積もりができるのはトヨタ製の17車種。順次、対応車種の拡充と、システムのバージョンアップを続けて居いく。いずれは、より多くの自動車メーカーの車種にも対応し、自動車メーカーや、損保・共済会社、自動車修理工場への導入や、海外展開も視野に入れる。

 従来、事故車修理費の見積もりでは、熟練の修理工や、アジャスターと呼ばれる、自動車事故が起きた際に車両が受けた損害の種類や割合を専門的に調査する人の知識と経験が不可欠だった。