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重要インフラへのサイバー攻撃の防衛訓練サービス、日立がオンラインで提供

DIGITAL X 編集部
2021年6月4日

電力や鉄道、上下水道など重要インフラへのサイバー攻撃を対象にした防衛訓練をオンラインで提供するサービスを日立製作所が2021年6月1日に開始した。自宅など遠隔から実践的なインシデント対応訓練に参加できるという。2021年5月24日に発表した。

 日立製作所が提供する「オンラインNxSeTA(Nx Security Training Arena)」は、電力や鉄道、上下水道など重要インフラを持つ事業者を対象にしたサイバー攻撃への防衛訓練サービス。講義に加え、実際の重要インフラの環境を再現した模擬システムを用いた実践的な訓練にリモート環境から参加できるという(図1)。従来は、同社の訓練施設または事業者の拠点で提供していた内容を基にオンライン化した。

図1:重要インフラへのサイバー攻撃を防衛するための訓練サービス「オンラインNxSeTA」の概念図

 訓練が目指すのは、セキュリティに関するインシデント(事象)への対応能力として、個人と組織のコミュニケーション力やレジリエンス(回復力)を段階的に高めること。そのために、サイバー攻撃の体験やログ解析、リモートワークショップなどを実施する。リモート環境にあっても従業員が業務ツールを使って相互に連携できるようにする組織的な訓練もできる。

 訓練後は、行動記録と対応評価を基にレポートを作成する(図2)。評価軸には「Safety-II」などを用いる。Safety-IIは、外乱やトラブルなどで変動する状況に応じて調整や回復をする安全の概念だ。

図2:セキュリティ能力強化の計画策定支援のプロセス

 レポートを元に、継続的な教育や訓練計画を提案する。人材面に加え、システム面や運用面に対しても、訓練で把握した課題への改善策などを、コンサルティングから施策の導入・運用までを支援する。