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電力アグリゲーター向け災害保障付きクラウドサービス、NECが提供へ
電力需給を調整するリソースアグリゲーター(RA事業者)が電力の統合・制御のために利用するクラウドサービスを、NECが2021年10月にも提供を開始する。東京海上日動火災保険と協業し、自然災害時などに需給を調整できなかった場合の追加コストを補償する仕組みも用意する。2021年5月26日に発表した。
NECが提供するのは、電力需給を調整するリソースアグリゲーター(RA事業者)向けのクラウドサービス。蓄電池や太陽光発電設備などの分散エネルギー源を統合し、需要量に応じた供給量の制御を可能にする。
同様のサービスを「NEC Energy Resource Aggregationクラウドサービス」(RAクラウドサービス)として2019年から提供してきた。今回、自然災害による設備の損壊などの不可抗力によって、指定された需給調整ができなかった際に電力事業者がリソースアグリゲーターに課す追加コストの一部を補償する仕組みとともに提供できるようにする。
そのために東京海上日動火災保険と協業する。東京海上日動が持つ保険統計技術を使って事故の発生頻度の定量化を図り、そこにNECが持つAI(人工知能)を使ったビックデータ解析や予測技術などを適用し、エネルギーデータの管理精度を高める。
カーボンニュートラルの実現や脱炭素社会への移行に向けNECは、経済産業省の助成事業「バーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」に2016年から参画するなどで、種々のノウハウを得てきた。VPPの構築・運用ノウハウやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術などをRAクラウドサービスの開発・運用に利用している。
東京海上日動も、保険の開発・提供やリスクコンサルティングのほか、2021年2月には「グリーン・トランスフォーメーション(GX)タスクフォース」を設置し、分散型エネルギーシステムの構築における地方自治体や企業への支援などを進めている。