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複数チームが携わる大規模AIシステムの開発・実行基盤、米NVIDIAがサブスク型で提供

DIGITAL X 編集部
2021年6月15日

大規模なAI(人工知能)システムを開発・実行するための基盤サービスを米NVIDIAが開始する。スーパーコンピューターを含むハードウェア環境や開発のためのワークフロー管理ソフトウェアなどを月額利用料を徴収するサブスク型で提供する。2021年5月31日(米国時間)に発表した。

 米NVIDIAの「NVIDIA Base Command Platform」は、複数のチームが参画するような大規模なAI(人工知能)システムを開発・実行するための基盤サービス。コンセプトの立ち上げから、プロトタイプの開発、本番環境の移行までに必要な環境を月額制のサブスクリプション形式で提供する。多数の研究者やデータサイエンティストが同時に作業できるという。

 NVIDIA Base Command Platformが提供する環境には、AIシステム開発用のスーパーコンピューター「NVIDIA DGX SuperPOD」も含む(写真1)。GPU(画像処理プロセサ)1基から複数ノードのクラスタまで、必要なワークロードに応じた環境をGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を使って構成できる。

写真1:「NVIDIA Base Command Platform」に含まれるスーパーコンピューター「NVIDIA DGX SuperPOD」の外観

 米NetApp製ストレージなどのハードウェア環境のほか、データ管理ツールや開発のワークフロー管理ツールなどソフトウェアも用意する。ワークフロー管理ツールは、監視/レポート用のダッシュボードを提供し、開発プロジェクトの全体像の把握を容易にする(図1)。

図1:「NVIDIA Base Command Platform」のワークフロー管理ツールが提供するダッシュボードの画面例

 同ダッシュボードを使えば、ビジネスリーダーであれば、プロジェクトを事業目標と照らし合わせて測定でき、チームマネージャーなら、プロジェクトの優先順位の設定や必要な計算資源の需要を予測できるとしている。

 ほかに、AIと分析ソフトウェアのカタログである「NVIDIA NGC」や、MLOps(機械学習の開発と運用の統合)ソフトウェアと統合するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プログラムや実行結果などを一元管理する「Jupyter Notebook」、プライベートレジストリやトレーニング用モデルなども用意する。

 2021年後半には、Google CloudのMarketplaceからBase Command Platformの利用を可能にする予定で、開発したAIシステムを他のクラウド環境などでも実行できるようにする。

 NVIDIA Base Command Platform with NetAppの利用料は月額9万ドルから。2021年6月1日時点では、アーリーアクセスの顧客が利用できる。