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製造設備の予防保全のための異常検知モデルを自動生成する技術、東京エレクトロン デバイスが開発

DIGITAL X 編集部
2021年6月18日

製造設備の予知保全に向けて、異常検知モデルを自動生成するAI(人工知能)技術を東京エレクトロン デバイス(TED)が開発した。正常時の時系列データから作成することで、異常データの収集時間を不要にする。2021年6月2日に発表した。

 東京エレクトロン デバイス(TED)が開発したのは、製造設備の正常時のデータから、想定される多様な異常データを生成し、最適な異常検知モデルを自動生成するためのAI(人工知能)技術(図1)。異常検知や故障予知のための学習に必要な異常データの収集が不要になるほか、実際に故障が発生するまで異常検知モデルの効果・精度を検証できないという課題も解決する。

図1:異常検知最適モデルの自動生成アーキテクチャー

 今回開発したAI技術では、独自の異常データ自動生成エンジンが、正常運転時の時系列データから、設備の周波数やトレンド、スパイク、位相などを想定した多様な異常データを自動生成する。その際、データの分布の偏りを考慮するほか、振幅の自動調整や季節性変動なども加味し、自然かつ固有のデータを複数生成できるとしている。

 そのうえで、正常データと生成した異常データを使って、判定モデルの精度が最も高くなるように、特徴抽出方法や機械学習アルゴリズム、機械学習パラメーターの最適な組み合わせを自動で探索し、異常検知モデルを作成する。

 従来、異常検知モデルの最適化作業には、データ分析の専門家が設備の異常データを長期間にわたり複数回取得し、繰り返す必要があった。

 TEDはこれまで、時系列データ自動分析マシン「CX-M」を販売し、設備の正常状態と異常状態のデータから異常検知モデルや故障診断モデルを開発してきた。ただ、製造設備によっては、異常データや故障データを短期間には収集できず、完全な予知保全システムを構築できないケースが少なくなかったという。

 今後は、新技術をCX-Mのための機能として開発を進め、実証検証を通して製品化を図っていく。