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CX(顧客体験)は高めたいが顧客データの取得・運用が課題、米フォレスター・リサーチが調査

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年6月21日

CX(顧客体験)の向上に取り組む企業では顧客データの取得・運用が課題になっている――。こんな調査結果を米フォレスター・リサーチがまとめた。調査を委託した米テラデータの日本法人が2021年5月26日に発表した。

 米フォレスター・リサーチが実施したのは、「デジタル全体のパーソナライゼーションについて抱えるニーズと課題」に関する調査。米テラデータと英Celebrusが委託し、企業でCX(顧客体験)の向上に関わる意思決定者に対し実施した。米国、APAC(アジア太平洋)地域、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)地域から170人が回答した。

 同調査によれば、回答者の82%が「自身の組織は常に、より多種の顧客データ収集を目指している」とした。

 その背景には、回答者の85%が「消費者にリーチし、より良い関係を築くためには、デジタルでの顧客体験が最も効果的な方法である」と考えていることがある。なかでも「リアルタイムに顧客体験を提供することを重視」するが66%、「インパクトのある顧客体験の創出が組織の優先事項」とする回答も65%ある。

 一方で、61%が「デジタル顧客データの取得と理解が難しい」とする。55%は「すべてのタッチポイントとライフサイクルの段階にわたって顧客を理解することは困難である」と回答している。

 既存のデータ収集ツールやCX関連ツールに対しても、回答者の51%が「顧客が、より多くのものを企業に求めるようになるほど、顧客のニーズをリアルタイムに捉え、対応することが難しくなった」という。「データを分析して実用的なインサイトに変えることができる」との回答は56%だった。

 Celebrusの副最高経営責任者であるBill Bruno 氏は、「企業は真に優れたCXを生み出すにあたって、技術面および運用面の課題に直面し続けている。顧客データの理解と実行能力の強化に役立つテクノロジーの導入に注力することは、企業に大きなビジネスチャンスをもたらす。このような変革は、企業の売り上げや顧客維持率、コスト削減率の改善の形で実を結ぶことになる」とした。

 テラデータのカスタマーエクスペリエンス&データサイエンスプラクティスディレクターであるKatrina Conn 氏は、「企業の継続的なCXテクノロジーへの投資にもかかわらず、データの複雑性、サイロ化、通信遅延、データを必要とする部署や担当者がアクセスできないなどの問題によりCX向上が妨げられている。企業が成功を収め、競争力を維持するには、顧客ライフサイクルの全段階にわたってデータを収集・管理し、分析をして効果的に活用できるデータプラットフォームに投資する必要がある」としている。