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日本企業のCXプロジェクトは進捗が遅れている、ガートナー ジャパンの調査
日本企業のCX(Customer Experience:顧客体験)への取り組み状況は決して芳しくない--。こんな調査結果を、ガートナー ジャパンが2021年6月7日に発表した。関心は高まっているものの、CXプロジェクトの進捗が遅れているという。
ガートナー ジャパンは、国内のIT利用企業におけるCX(Customer Experience:顧客体験)への取り組みについて2020年11月に調査した。同調査によれば、CXについて「必要だが未検討/進捗が遅い」という回答者が3割を超えた(図1)。
これに「必要なし」「知らない/分からない」を加えると全体の8割弱を占め、CXプロジェクトに取り組んでいる(「進行中・稼働済み」または「検討中」)企業は2割強にとどまる。ただ、2018年、2019年の調査結果と比較すると、取り組みを進めている割合は増えている。
CXに取り組んでいるとする企業に対し、「CXの推進責任者が誰なのか」を聞いた結果では、CXを主体的に進めているのは「営業担当役員」が31.7%で最も多い。「役員でない特定のリーダー」が14.0%で、「役員やリーダーはいない」が20.4%だった(図2)。この傾向は2019年の調査と変わっていない。
ガートナー・ジャパンのアナリスト兼シニア ディレクターの川辺 謙介 氏は、調査結果に対し、こうコメントしている。
「CXの取り組みはビジネス上の差別化に目的があるため、これを積極的に進めている企業と、そうでない企業との間には大きな差が広がっていくことが懸念される。多くの部門が関係するため明確かつ強力なリーダーシップが求められる。仮にそのようなリーダーが不在のまま、各部門から集まるプロジェクトメンバーがCXの目的を理解せず、適切な行動を取らないような状況では、組織間の隙間を埋められないままとなり、プロジェクトが思うように進まない」