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作業現場の労働安全衛生を支援するIoTサービス、日立ソリューションズが発売

DIGITAL X 編集部
2021年6月29日

建設現場や製造現場での作業員の安全管理を支援するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービスを、日立ソリューションズが2021年6月10日に発売した。作業員の健康状態や転倒・落下の危険性などを遠隔地から把握できるという。2021年6月9日に発表した。

 日立ソリューションズの「労働安全衛生 作業員活動支援サービス」は、建設業や製造業における現場作業員の安全管理や労働災害を未然に防止するためのクラウドサービス。安全衛生管理部門や現場管理者が、作業員の健康状態や転倒/落下の危険性などを遠隔地から監視できるよう、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を使って現場から労働安全衛生に関するデータを収集し可視化する(図1)。

図1:「労働安全衛生 作業員活動支援サービス」は、現場の労働安全衛生データを収集し可視化する

 収集するデータは、作業員の生体情報と位置情報、および温湿度・気圧など気象情報。IoT機器が持つセンサーと、作業員が携帯するスマートフォンから取得する。

 収集したデータは、ダッシュボード上でグラフや地図を用いて可視化する。例えば、作業員の職種や所属、年齢、作業現場/時間といった属性の別に傾向や特徴を把握できるという。位置情報を基に個人の行動履歴(動態管理)を地図上に表示することが可能だ。ダッシュボード用のテンプレートは、カスタマイズができる。

 情報を可視化することで、安全上の警告を確認したときの位置の確認や、不安全行動の抑止、作業の効率化のほか、事故の傾向把握や予防策の検討、予防効果の確認などが可能になる。

 例えば、酷暑下の熱ストレスなどの健康リスクを把握すれば労働災害の未然防止が図れる。作業員の体調不良などの傾向を予測すれば、休息などを事前にアドバイスできる。現場別や職種別、時間帯別などでデータを分析し仮説を立てれば、事故などが多い条件を見つけて、安全点検など現場での改善策の立案にも使える。職種別の作業負荷の分析も可能だ。

 作業員の生体情報を取得するためのIoT機器としては、まず村田製作所と共同開発した「作業者安全モニタリングシステム」のためのヘルメット型センサーデバイスと連携する。スマートウォッチなどウェアラブルデバイスとの連動を計画するほか、IoTデバイスのカスタマイズにも対応するという。

 労働安全衛生 作業員活動支援サービスの価格は個別見積もりである。