物流施設の統合管理をAI技術で最適化するシステム、GROUNDが発売へ

　GROUNDの「GWES（ジーダブルイーエス：GROUND Warehouse Execution System）」は、物流施設を統合的に管理するためのソフトウェア群（図1）。共通データ基盤と、AI（人工知能）技術を適用した各種機能モジュールからなり、WES（Warehouse Execution System：倉庫実行システム）として機能する。

図1：「GWES（GROUND Warehouse Execution System）」の全体像

　GWESは、施設内で稼働する種々のマテハンやロボットなどのハードウェアと、WMS（Warehouse Management System）やWCS（Warehouse Control System）といったソフトウェアと連携することで、施設全体の最適化や可視化を図る。施設のデジタル地図を作成したり、業務の自動化、リソースの最適化などにも対応する。

　導入時は、目的や課題に合わせて、1モジュールのみから段階的に導入できるとしている。

　この仕組みをトラスコ中山は、2024年に本格稼働させる同社最大の物流センター「プラネット愛知」に導入する予定だ。2021年6月15日には、資本業務提携の締結も発表している。両者は、トラスコ中山の物流センター「プラネット埼玉」での物流機器導入などで接点があった。

　GROUNDによれば、EC市場の急速な成長により、この10年で世界の流通モデルが変化し、ニーズの高度化・多様化や、人件費・運送費の高騰などを背景に、ロボットやAIなどのテクノロジーおよびデータ活用への期待が高まっている。生産年齢人口の減少にコロナ禍が重なり、ECや物流は社会インフラとしての持続可能性が問われており、物流施設における最適化ニーズはさらに高まると予想されている。