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自動運転技術を使ったリフト型式無人搬送車、AI関連ベンチャーのTRUST SMITHが開発

DIGITAL X 編集部
2021年7月2日

自動運転技術を使って自律走行する無人搬送車(AGV)を、AI(人工知能)技術を開発する東大発ベンチャーのTRUST SMITHが開発した。AVGを誘導する仕掛けが不要なため、製造や物流の現場においてレイアウト変更などに柔軟に対応できるとする。2021年6月15日に発表した。

 東大発でAI(人工知能)技術を開発するベンチャー企業のTRUST SMITHが開発したのは、自律走行が可能な無人搬送車(AGV)。まずは荷物を受け渡しするためのステーションまでの搬送を想定したリフト式とし、運搬業務の効率化や作業者の負担軽減が図れるとする(図1)。

図1:TRUST SMITHが開発したリフト式無人搬送車(AGV)の外観

 AGVの開発に当たりTRUST SMITHは、自動運転のために研究開発してきた物体認識技術や、アームロボットによる障害物回避アルゴリズムなどを適用し、自律走行と障害物回避を実現した。これにより、AGVを誘導する磁気やグリッドといった床面への装飾が不要になり、工場のレイアウト変更などへの対応力を高めたという。

 リフト式AGVでは、縦1メートル×横1メートル前後の荷物を積んだパレットの運搬を想定している。ただ機体本体やソフトウェアは、用途に合わせた設計が可能とし、牽引式やコンベア式といった機体の開発にも着手するとしている。

 さらに複数のAGVを群制御する仕組みも開発する。アームロボットやAGF(Automated Guided Forklift)、WMS(Warehouse Management System)、FMS(Flexible Manufacturing System)などの機器やシステムとの連携も図り、工場や倉庫での使い勝手を高めたい考えだ。

 TRUST SMITHによれば、製造・物流の現場では近年、人手不足が深刻な問題になり、品質検査や仕分けの自動化などが進む一方で、運搬作業は人手に頼る現場が多く、作業者の負担は軽減されていない。