AIシステムの開発・実行に必要なリソースを総合的に提供するクラウドサービス、米NVIDIAが開始

　米NVIDIAの「NVIDIA AI LaunchPad」は、AI（人工知能）システムを開発・実行するための環境を包括的に提供するサービス（図1）。NVIDIAが、複数のクラウド事業者経由で提供し、クラウドや企業のオンプレミス環境にまたがって存在するデータへのアクセスを含め、AIの学習から推論、エッジ環境への展開など、AIシステムのライフサイクル全体をカバーする。

図1：「NVIDIA AI LaunchPad」は、AIシステムの開発・実行環境を包括的に提供する

　提供されるリソースは、大規模なAIシステムの開発・実行基盤サービスである「NVIDIA Base Command Platform」で管理されている。リソースには、AIシステム開発用のスーパーコンピューター「NVIDIA DGX SuperPOD」や、データセンター内でデータを移動させ処理する「DPU（Data Processing Unit）」が含まれる。エッジ環境でAIアプリケーションを展開・管理するためのマネージドサービス「NVIDIA Fleet Command」も用意する。

　AI LaunchPadは、まずは米国などで2021年夏から、パートナー企業の米Equinixのクラウド基盤経由で提供される予定である。Equinixは、世界5大陸の60超の大都市圏に220以上のデータセンターを運用している。Equinixが運用するAI LaunchPadがハブになり、同社のデータセンター群が持つリソースを利用できる。

　Fleet Commandは、AI LaunchPadに先行して、米国などでは2021年6月22日から正式サービスとして提供が始まっている。

　開発・実行基盤サービスのBase Command Platformは、オンプレミス用途として、米Dell Technologiesや中国Lenovoなどが販売するNVIDIA認定サーバーに組み込んで提供される。同サーバーでは、データ分析用ソフトウェアスイート「NVIDIA AI Enterprise」を、仮想化基盤「VMware vSphere」（米VMware製）上で実行できる。