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ローカル5Gを利用する製品/サービスを検証するための共創施設、パナソニックが開設

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月13日

ローカル5G(第5世代移動体通信サービス)を利用する製品/サービスを検証するための共創(オープンイノベーション)施設を、パナソニックのコネクティッドソリューションズ社とパナソニック システムソリューションズ ジャパンが開設した。2021年6月25日に発表した。

 「Network Connect Lab」は、ローカル5G(第5世代移動体通信サービス)を利用する製品/サービスを検証するための施設。パナソニックグループでB2B(企業間)事業を手掛けるコネクティッドソリューションズ社と、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが、横浜市・佐江戸事業場内に開設した(写真1)。

写真1:Network Connect Labのイメージ

 Network Connect Labは、ローカル5Gの実験試験局免許を取得している。各社が機材やアプリケーションを持ち込み、Sub6帯域(4.6~4.9ギガヘルツ)のローカル5G SA(スタンドアロン)やLTE(Long Term Evolution:4G)の環境で検証、高速・大容量の機能を検証する「スループット測定」、マルチアクセス制御の実証・検証などができる。打ち合わせや商談のためのスペースも提供する。

 デモ環境として、ローカル5Gを利用したロボットアームの遠隔操作や、通信環境が大きく変動する無線による映像伝送などを用意するほか、複数の基地局や移動局の通信状態をモデル化し、システム全体の機能や性能を可視化してテストできる無線システムシミュレータも備える。利用企業が求める環境に合わせてカスタマイズして利用できる。同シミュレータは、大手通信キャリアや大手法人での利用実績があるという。

 Network Connect Labが2021年6月時点で備えるネットワーク環境/設備は、(1)ローカル5G、(2)ネットワークを自営で構築する自営等BWA(Broadband Wireless Access)、(3)自営通信規格のsXGP(shared eXtended Global Platform)、(4)Wi-Fi、(5)外来ノイズを遮断するシールドテント、(6)無線システムシミュレータの6つである。

 コネクティッドソリューションズ社は2021年2月17日、新事業「現場マルチネットワークサービス」を発表。同発表で描いた、ローカル5G/プライベートLTE/Wi-Fi6など複数の無線ネットワークを1つの5Gコアで制御し統合的に提供するビジネスを2022年4月に開始する計画だ(図1)。エッジデバイスや業界別アプリケーションも提供したい考えで、それらもNetwork Connect Labで検証する方針である。

図1:「現場マルチネットワークサービス」の概要