• News
  • 製造

建設現場への立会などをMR技術を使って遠隔から実施するためのシステム、會澤高圧とハニカムラボが開発

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年7月14日

建設現場への臨場をMR(Mixed Reality:複合現実)技術を使って遠隔から実施するためのシステムを、會澤高圧コンクリートとハニカムラボが開発した。現場の映像を共有することで遠隔臨場を可能にする。2021年6月29日に発表した。

 會澤高圧コンクリートとハニカムラボが開発したのは、公共事業の建設現場における材料確認や段階確認、立会の臨場作業を、MR(Mixed Reality:複合現実)技術を使うことで遠隔から実施可能にするシステム(写真1)。実際に現場に訪れる必要がなくなるため、臨場作業の効率化やペーパーレス化、時間の短縮が期待できる。

写真1:現場の計測者がMRデバイスを装着する

 公共事業における発注者は、コンクリート部材などの製造・施工現場を定期的に訪れ、作業が契約通りに実施されているかを確認する必要がある。開発したシステムを使えば、発注者は現場から送信された映像を役所にあるPCのブラウザ画面から閲覧し、現場作業員の手元の状況を確認できる(図1)。

図1:MRデバイスから送られた現場の映像をブラウザ上で確認する

 システムは、スマートグラス「HoloLens2」(米マイクロソフト製)とヘルメットを一体化したMRデバイスで現場の計測者が装着する「XR10」(ニコン・トリンブル製)と、現場指揮者が作業全体を管理し発注者に計測結果などを送信するためのiPad、および発注者が利用する遠隔で映像を確認するためのPCで構成される。

 現場にいる計測者は、XR10を使うことで、眼前の空間に表示される計測箇所の図面や計測項目を確認しながら作業を進められる。XR10はハンズフリーで操作できる。

 現場の指揮者は、iPadを使って検査項目を選択しながら検査を進行させる。iPadに入力した計測結果は、遠隔地の発注者とリアルタイムに共有でき、計測データの確実性を担保できるとしている。

 本システムはすでに、札幌市下水道河川局が採用している。同局が発注する公共事業における遠隔臨場に利用している。同局事業推進部 河川事業課河川工事係の橋本 尚棋 氏は「移動時間の削減がもたらす業務改善効果を強く実感できた。定点カメラで検査の全体状況を確認しながら、ホロレンズの映像で検査の詳細を確認できるので信頼性が高い」と話す。

 公共工事の遠隔臨場は、国土交通省が導入を進めており、2020年5月には遠隔臨場の試行方針を発表している。同方針では、対象工事や現地画像の撮影・配信の仕様などが定められている。