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きのこの栽培を遠隔管理するシステム、IoTベンチャーのcynapsが開発

DIGITAL X 編集部
2021年7月20日

きのこの栽培環境を遠隔から管理するシステムを、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)ベンチャーのcynapsが開発した。温度・湿度・CO2等を遠隔から管理するシステムを、従来比で最大数十分の1のコストで構築・運営できるという。2021年7月6日に発表した。

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システム開発などを手掛けるcynapsの「Mushview」は、きのこの栽培環境を一元的にモニタリングするためのシステム(図1)。ハウス内の空調・排水設備を含め、ハウス内の温度・湿度や大気中成分、明るさ、換気・排水状況などをデータ化することで、栽培農家は品質の安定化やスタッフの時間外労働の削減につなげられるという。

図1:きのこ栽培管理システム「Mushview」の管理画面の例

 Mushviewでは、ハードウェアコストとソフトウェアの開発コストの削減により、従来比で数分の1から数十分の1で構築・運用できるとしている。cynapsによれば、同様のシステムの導入では従来、数千万~1億円以上の構築費と月間数十万~数百万円の運営費がかかり、小・中規模農家には重い負担になっていた。

 低価格化に向けた具体策としては、(1)センサーデバイスを栽培管理に最も効率的に配置することで使用デバイス数を低減、(2)センサーデバイスを環境に合わせて選ぶことでデバイス単価を削減、(3)データ処理およびUI(User Interface)/UX(User Experience)にCO2モニタリング/換気アラートシステム「Hazaview」のソフトウェアモジュールを転用、などを挙げる。

 同社は今後、Mushviewを全国で販売するほか、他の農作物を対象にした製品開発にも取り組むという。