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物流倉庫の省力化に向けた検品などの支援システムの実証実験、東京エレクトロン デバイスが開始
物流倉庫の省力化に向けた実証実験を東京エレクトロン デバイス(TED)が2021年7月7日、国内の顧客企業が持つ倉庫で開始した。米国子会社のTOKYO ELECTRON DEVICE AMERICAが開発したシステム「HAKO-FLO(ハコフロ)」を使い、倉庫内の検品業務などの省人化での効果を検証する。同日に発表した。
東京エレクトロン デバイス(TED)が実施するのは、物流管理システム「HAKO-FLO(ハコフロ)」(米TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA製)を使った物流倉庫業務の省力化。入出庫時に発生する計測、検品、在庫管理、棚卸、およびインボイスや帳票ラベルといった書類作成の5つの業務を対象に、人手による作業を自動化し、適切な人員配置つなげられるかどうかを検証する(図1)。
HAKO-FLOは、既存の物流倉庫システムと連携させて利用するソフトウェア。オンプレミスまたはクラウド上で稼働させてのサービスとして提供する。既存システムや倉庫作業に合わせて機能を選択できる。
HAKO-FLOが提供する機能は、(1)85(はこ)-RFID、(2)85-LIDAR、(3)85-Eye、(4)85-Tracking、(5)85-Cloudの5つ。このうち、85-Trackingと85-Cloudは開発中である。
85-RFIDと85-LIDARは、ICタグやレーダーを使って、荷物に関する情報の世読み取りや荷物の大きさの自動計測などを可能にする。85-Eyeは、在庫数や荷物の位置を自動検知するAI(人工知能)システムだ。85-Trackingは荷物の状態と場所を受入から出荷までを追跡する。荷物に関する全データを可視化するためのストレージ環境が85-Cloudになる。
TEDによれば、物流倉庫では多くの業務が人手で支えられている。荷物の取り間違いや取り間違えによる戻し費用の発生などのほか、在庫数量の正確な把握、棚や倉庫内の空きスペースの有効活用、人員不足による配送遅延の解消や人件費の抑制など課題が多いのが現状だ。
そこにインターネット通販の急増により物流量が増大する中、既存の倉庫管理システムには改修コストをかけずに、人手による作業を削減して運用効率を高めるための仕組みが求められているという。