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生体情報を保存せずPC内蔵カメラによる顔認証を可能にするソフト、日立ソリューションズが発売

DIGITAL X 編集部
2021年7月30日

顔認証によって社内外のシステムにアクセス可能にするためのソフトウェアを日立ソリューションズが20201年7月15日に発売した。生体情報をどこにも保存しないのが特徴で、プライバシー保護と運用負荷の低減を両立できるサービスとして提案する。2021年7月14日に発表した。

 日立ソリューションズの「Biometric Signature サインインソフトウェア」は、社内外にある業務システムへの認証方法を統一するためのソフトウェア。顔認証により各種システムを利用でき、パスワードの入力・変更、忘失・紛失、なりすましなどのリスクを低減できるという。

図1:「Biometric Signature サインインソフトウェア」の利用イメージ

 Biometric Signature サインインソフトウェアでは、顔認証のための生体情報を保管しない。社員のプライバシーを保護できる。システム管理者としては、追加の装置が不要で、社員がデバイスを紛失したりデバイスが故障したりした際も顔情報の再登録が不要なため運用負荷を低減できる。

 Biometric Signature サインインソフトウェアは、日立製作所の研究開発グループが特許を持つ「公開型生体認証基盤(PBI)」技術を使ったクラウド「生体認証統合基盤サービス」を使って開発した。初回登録時に生体情報から専用の公開鍵を生成し、その鍵から証明書を発行。以後は、アクセスのたびに生体情報から秘密鍵を生成し、本人かどうかを検証する。

図2:「公開型生体認証基盤(PBI)」による生体情報を使った認証の概念(Biometric Signature Serverのホームページより)

 日立ソリューションズによれば、コロナ禍でのリモートワークが普及し、クラウドサービスの利用が拡大するなかで、社内外のシステムに何度もIDとパスワードを使った認証が必要になり、業務効率が低下したり、忘失や紛失、なりすましによるセキュリティリスクが課題になっている。管理者側も、複数の認証の仕組みを管理する必要があり、業務負荷を高めている。

 そうした課題の解消策として、生体認証を検討する企業が増えているものの、生体認証は専用の読み取り装置が必要だったり、デバイスごとに生体情報が保管されセキュリティ対策やプライバシーへの配慮が新たな課題になっているという。

 日立ソリューションズは今後も、PBIを使った認証関連サービスを提供していくとしている。