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自然言語処理エンジンを使った企業向けチャットボットサービス、電通が開始

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年8月12日

自然言語処理エンジンを使った企業向けのチャットボットサービスを、電通が2021年7月26日に開始した。まずは、消費者の意識調査サービスと公式LINEアカウント向けのサービスを提供する。同日に発表した。

 電通の「Kiku-Hana」は、同社が2018年に開発した日本語での対話用プラットフォーム。独自の自然言語処理エンジンを搭載し、チャットボットや音声認識、音声発話などに利用できる。今回、Kiku-Hanaを利用して企業向けに2つのチャットボットサービスを開始した。

 1つは。消費者の意識調査サービス「Smart Interviewer」(ベータ版)。電通マクロミルインサイトと共同開発したもの。人の意識や商品価値を階層構造で聴取するラダリング手法を採用し、聴取したい階層構造や想定回答を事前にAI(人工知能)システムに学習させることで、階層構造に沿った質問がチャット形式で自動で実行できるため、より多くと回答量と回答の切り口が得られるという(図1)。

図1:「Smart Interviewer」を使ったブランド価値構造調査のイメージ

 例えば、 2020年に500人を対象にした実験では、一般的なWebアンケートにおける自由回答フォームと比較して、1人当たりの回答文字量は4.3倍、回答切り口の数は2.4倍まで増加した(図2)。「特になし」といった回答が72%低減した。回答結果は自動的にタグ付けと分類がされ、分析が容易になるとしている。

 もう1つは、企業の公式LINEアカウントに対話機能を導入する「Kiku-Hana for LINE」。顧客との対話に応じて商品販売(チャットコマース)に誘導したり、属性や対話内容から嗜好に合ったコンテンツを配信したりができる(図2)。顧客1人ひとりに応じたチャット形式での対話により、顧客満足度の向上や新規顧客の獲得が期待できる。Smart Interviewerを使った調査との組み合わせも可能だ。

図2:「Kiku-Hana for LINE」を使ったコミュニケーションのイメージ