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電柱・電線など設備を3Dセンサーを使って点検する技術、NEC通信システムが開発

DIGITAL X 編集部
2021年8月13日

電柱・電線などの設備点検作業を安全かつ効率的に実施するための計測技術をNEC通信システムが開発した。3D(3次元)センサーを使った空間認識技術を応用した。2021年度中の製品化を目指す。2021年7月27日に発表した。

 NEC通信システムが開発したのは、電柱や電線などの設備点検を離れた場所から実施するための技術。3D(3次元)センサーで取得した画像から電柱や支線を認識し、電柱の高さや、地面からの電線までの高さ、設備間の距離などを計測できるようにした(図1)。高所にある設備を、高所作業車などを使わずに計測できるほか、通行止めや通行制限が不要になるため、作業者数の削減にもつながる。

図1:3Dセンサーによる設備計測用アプリケーションの画面例

 計測時は、3Dセンサーで取得した画像上で、計測したい対象物を2点、選択すれば、2点間の距離を計測できる。対象物の一部が樹木などの障害物に隠れている場合も、推測により2点間の距離を計測する。

 また3Dセンサーで取得した3次元点群データ上に、電柱や電線を設置してのシミュレーションもできる。設備点検を安全かつ少人数で実施できるほか、点検業務のデジタル化/ペーパレス化なども期待できるとする。

 NEC通信システムによれば、電力業界や鉄道業界などでは作業員の高齢化や人手不足が深刻化しているほか、高所作業車を使用した作業の安全確保が必要なことから、業務効率を高めることが喫緊の課題になっている。