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インフラ設備をデータに基づき管理・運用するための基盤サービス、NTTコムウェアが開始

DIGITAL X 編集部
2021年8月17日

インフラ設備をデータ分析に基づいて管理・運用するための基盤サービスをNTTコムウェアが2021年7月28日に開始した。各種設備の保守・運用データなどからデジタルツインを構築し、分析・シミュレーションによる予兆保全や延命化、稼働率の向上などを可能にする。同日に発表した。

 NTTコムウェアの「Smart Data Fusion」は、インフラ設備を管理・運用するためのデータ分析基盤。設備のデジタルツインを構築し、部門間/システム間を跨いだデータ分析や、AI(人工知能)技術による解析・シミュレーションにより、予兆保全や設備の延命化、稼働率向上、投資の最適化などを可能にする(図1)。

図1:「Smart Data Fusion」はインフラ設備をデータに基づき運用・管理するための基盤(NTTコムウェアのWebサイトより)

 デジタルツインは、既存システムの情報や設備の運用情報、3D(3次元)モデル、各種センサーで収集するリアルタイム情報、オープンデータなどから構築する(図2)。構築環境には「Cognite Data Fusion」(ノルウェーCognite製)を採用した。さらにIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤「Things Cloud」(NTTコミュニケーションズ製)と連携すれば、センサーデータの収集・統合が容易になるとする。

図2:計画から点検、診断、措置まで各種のプリセットアプリケーションを用意する

 Smart Data Fusionでは、設備運用の各プロセスの別にプリセットアプリケーションを用意する。資産の管理・計画用や、点検記録用、診断・予測用、措置シミュレーションなどだ。これらに加え、熟練者などが持つ点検・診断ノウハウをAIシステムに学習させ、ノウハウを継承するAIモデルを操作することで、点検業務の点検の自動化や平準化が図れる。

 Smart Data Fusionの利用例としてNTTコムウェアは再生可能エネルギー関連設備の管理を挙げる。風力発電設備のメンテナンスでは実証実験を実施し、ドローンで撮影した写真と判定用AIモデルにより、ブレードの落雷痕や侵食などを判定。設備点検の効率化や安全性向上への有効性を確認したとする(図3)。

図3:風力発電設備のメンテナンスに向けたデジタルツインの例

 オフィス空間でのデータ活用として、自らの本社ビルにある協創スペースで実証してもいる。360度画像やCO2濃度、温度、設備データ、人流データ、利用者の属性情報などを点群データとして統合し、オフィス空間を可視化できるようにしている。

 Smart Data Fusionの利用料金は、導入規模に応じた個別見積もり。事前検証のためのトライアル環境も用意する。