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データ活用はしたいがデータ量の増大に苦慮、米Dell Technologiesの調査

DIGITAL X 編集部
2021年8月26日

データ活用には取り組みたいものの、処理できる以上のデータ量を求め、行動に移せない--。こんな調査結果を米Dell Technologiesがまとめた。ほとんどの企業がデータ量の増大に苦慮しているという。同社の日本法人が2021年8月17日に発表した。

 米Dell Technologiesがまとめたのは、企業のデータ管理/活用やその負担に関する調査結果。データやデータ戦略に責任を持つディレクター以上の意思決定者(世界45カ国4036人と日本200人)を対象に、Dell Technologiesから委託された米Forrester Consultingが2021年5月に実施した。

 同調査では多くの企業が、(1)データ活用に対する認識と実際が食い違う、(2)処理できる以上のデータ量を求めている、(3)データ活用に向けた行動を起こしていない、という実態が浮かんできた。

 さらに、同調査が連携している企業のデジタル成熟度を評価するDellの『Digital Transformation Index』においても、「データのオーバーロード/データからインサイトを引き出せない」という課題の順位が、2016年には世界11位/日本7位だったものが世界3位/日本4位にまで上昇している。

 (1)データ活用に対する認識と実際について、「自社はデータドリブン(データに基づいて意思決定などをしている)だ」と認識している企業は世界で66%、日本は65%だった。一方で、「データの活用を全社規模で優先している」とする企業は世界で21%、日本は25%に、それぞれとどまっている。

 データに対する企業の準備状況の評価においても、「未着手」とする企業が世界で54%、日本は44%あった。データ管理/活用の「優良企業」は世界では12%、日本は20%に過ぎなかった。

 (2)のデータ量については、「現在のデータ提供能力よりも多くのデータを常に必要としている」とする回答が世界で67%、日本は73%もあった。「現在のデータ量は処理できる範囲を超えている」との回答も世界で61%、日本は72%に及ぶ。さらに、「パンデミックにより収集・格納・分析しなければならないデータの量が大幅に増えた」との回答が世界で44%、日本は45%だった。

 データ量が多すぎることから、「データの分析や利用よりも収集の方が速い」とする回答が世界で70%、日本は66%に達している。また「セキュリティとコンプライアンス要件に対応できない」という回答も世界で64%、日本は69%ある。

 そうした中で、大量データを活用するためのプラットフォームとして有効とされるSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)などのサービスモデルに移行した企業は、世界では20%、日本は28%にとどまっていた。

 このように現状はデータ活用に苦戦している企業が多いものの、今後1~3年の計画では、積極的な姿勢を見せている。「DaaS(Data as a service)モデルに移行する」企業は、世界で57%、日本は59%ある。「異常データの検出を自動化するために機械学習を導入する」企業も世界が 66%、日本は75%だった。「パフォーマンスを精査してデータの処理と活用の方法を見直す」との回答も世界で52%、日本は45%あった。