• News
  • 共通

小売業を対象にしたAI技術による需要予測サービス、コニカミノルタが開始

DIGITAL X 編集部
2021年8月28日

小売店における需要をAI(人工知能)技術を使って予測するサービスをコニカミノルタジャパンが2021年8月19日に開始した。在庫管理や発注、販促といった業務の効率化を支援する。同日に発表した。

 コニカミノルタジャパンの「AIsee(アイシー) powered by CJ-DMP」は、小売業を対象にしたAI(人工知能)技術を使った需要予測サービス。自社のPOS(販売時点情報管理)データなどと気象などの外部データを使って、在庫、販売、来場者などを予測する(図1)。担当者の経験や勘に頼ってきた予測業務を自動化することで、人手不足の解消や生産性向上を図れるとする。

図1:「AIsee powered by CJ-DMP」による販売予測結果の画面例

 AIseeでは、予測モデルを自動的に構築できるため、機械学習やプログラミングなどのスキルがなくても自社データの分析が可能になるとする。POSデータや顧客データ、商品データ、販促イベントなどのデータから需要を予測する。まずは、在庫予測、販売予測、来場者予測のモデルから提供する。

 在庫予測データと販売予測データを組み合わせれば、売れる商品や最適な在庫を把握したうえでの仕入れを判断できることから、機会ロスや廃棄ロスなどを減らせるとする。複数店舗を運営している場合は、全体在庫を把握したうえで各店舗への商品の振替などで在庫回転率を高められるという。来場者予測では、最適な人員シフトによる人件費の削減などが期待できる。

 将来的には、他の予測モデルを追加するほか、データアナリストによるデータ分析や、データ分析業務に伴って発生するデータ加工や分析レポート、データのアライアンス化(データの統計的共有)などの機能を提供し、予測精度の向上を図るとしている。

 コニカミノルタによれば、機械学習などを活用した予測は、専門家やデータアナリストが分析するケースが多く、中小企業では大企業に比べ導入が進んでいない。ただ中小企業がAI技術を導入することによる推定経済効果は、2025年までに11兆円と試算されており、生産性の抜本的改善が期待できると考えられている。