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要支援・要介護者と訪問看護師をマッチングするシステム、NECがスタートアップと実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年8月31日

要支援・要介護者と訪問看護師をAI(人工知能)技術を使ってマッチングするシステムの実証実験を、NECがスタートアップ企業Cone・Xi(コネクシー)と共同で、岡山市内で2021年9月下旬から開始する。2021年8月20日に発表した。

 NECが取り組むのは、訪問ケアを希望する要支援・要介護者と、訪問看護師をAI(人工知能)技術を使ってマッチングするシステムの検証。ケアマネジャー(介護支援専門員)が登録する要支援・要介護者の情報(必要なケア、希望日程、住居エリアなど)と、訪問看護師が登録する情報(専門分野、対応可能なケア、空き状況、訪問エリアなど)を分析し、訪問看護する適切な候補者の一覧をケアマネジャーに提示する(図1)。

図1:NECが取り組む要支援・要介護者と訪問看護師をマッチングする実証実験の概要

 実験は、岡山市内の訪問看護ステーション約20事業所に所属する訪問看護師と、彼らを担当する約50人のケアマネジャー(約50人)を対象に実施する。

 本マッチングシステムが有効に機能すれば、ケアマネジャーは事業所・訪問看護師選定といった業務の効率を高められる。訪問看護ステーションもケアマネジャーへの営業や電話のやり取りが減り、要介護者のケアなど本来業務に専念できる。地域の訪問看護資源を有効活用することで、人材不足解決の一助になるとともに、要支援・要介護者の生活の質(QoL:Quality of Life)の向上に貢献できるとしている。

 本実験では、岡山市拠点のスタートアップ企業、Cone・Xiと協業する。NECがシステム構築と運用を担当し、実証体制の構築とカスタマーサポートは、Cone・Xiを担当する。

 NECによれば、ケアマネジャーは、訪問看護に当たる看護師を割り当てるために、訪問看護師が所属する事業所に個別に電話して調整するなど多大な労力を要している。より柔軟に対応できるよう、要支援・要介護者が希望する時間帯に対応できる訪問看護師を複数見つけておかなければならない場合もある。

 一方、訪問看護を提供する事業所においては、訪問看護師の人材不足が深刻化する中、ケアマネジャーと連携して適切な訪問看護師を調整・割り当てるために、訪問看護師1人ひとりが対応できる業務内容や空き状況、訪問エリアといった情報を効率よく管理・提供できる仕組みが必要になっているという。