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データ分析の内製化支援プログラム、日本マイクロソフトが開始

DIGITAL X 編集部
2021年9月1日

データ分析を外注せず自社内で実行できるようにするための支援するプログラムを、日本マイクロソフトが開始する。同社のクラウド環境「Microsoft Azure」上で、サンプルデータあるいは企業自身のデータを使いながら、データ分析の流れを体験し修得できるようにする。2021年8月23日に同社技術ブログで発表した。

 日本マイクロソフトの「データ分析内製化支援プログラム」は、企業自身がデータ分析に取り組むことを支援するプログラム。同社のクラウド環境「Microsoft Azure」上で、データ分析の一連の流れを体験しながら、必要なスキルを身に付けていくという。

 データ分析内製化支援プログラムは、(1)「OpenHack for Data」、(2)「Azure Light-up for Data」、(3)「Data Hack」、(4)「Cloud Native Dojo for Data」の4つのメニューからなる(図1)。

図1:「データ分析内製化支援プログラム」の4メニュー

 OpenHack for Dataでは、用意された分析環境とサンプルデータ、テーマと課題に対し、参加者がアーキテクチャーを設計したりデータを分析したりする。クラウド上の分析基盤を自ら構築し、データの加工・分析に必要な最低限の能力の向上を目指す。

 Azure Light-up for Dataは、企業の担当者と分析のパートナー企業とが、企業自身のデータを対象にハッカソン形式で数週間をかけて取り組む。企業の特定分析プロジェクトや分析環境の構築などをテーマに、データ分析の対象となるビジネスドメインの策定とゴール設定、データ処理・加工、ダッシュボード構築と可視化、モデルの構築と実装など一連の流れを体験する。

 Data Hackは、Microsoft Azure上のデータサービスを使ったデータ分析・活用に取り組みたい企業を対象にしたサービスで、マイクロソフトの社内審査を通過する必要がある。企業の課題別や導入レベルに応じて支援内容の深度をカスタマイズして提供する予定だ。

 具体的には、企業の業務課題に合わせて分析テーマを定義し、企業自身のデータを使いながら、データの準備から加工、可視化、機械学習モデルの作成、実装までを実施する。分析・機械学習プロジェクトの導入フェーズには、マイクロソフトのデータサイエンティストとアーキテクトが数日間参加し、プロジェクトフレームの構築を支援する。

 Cloud Native Dojo for Dataは、データドリブンなビジネスへの改革を組織全体として本格的に望む企業が対象だ。短期的な分析環境の構築や分析能力の継承だけでなく、データ分析の組織づくりや人材育成、データ組織戦略の策定、データ文化の醸成などを、経営マネジメントの観点から中長期的にコンサルティングパートナーが支援する。

 Cloud Native Dojo for Dataの支援パートナーには、アバナード、アビームコンサルティング、The ROOM4D、ジール、電通国際情報サービス(ISID)、ナレッジコミュニケーションが名を連ねている。

 データ分析内製化支援プログラムの活用事例が既に存在する。例えばJFEエンジニアリングは、Azure Light-up for Dataを使って、プラントの温度や圧力などのデータを解析するシステムの性能改善を図った。数日間のハッカソンで分析パートナーとプロトタイプを作成し本番環境に耐えられるようチューニングした。現在は自社内で運用しているという。

 Data Hackでは、小売りや流通、製造、金融など企業が、優良顧客の特徴抽出や品質管理のプロジェクトなどに取り組み、継続しているとしている。

 データ分析内製化支援プログラムの期間と費用は表1の通り。

表1:「データ分析内製化支援プログラム」の4メニューの期間と費用
メニュー名期間費用
OpenHack for Data3日間無償
Azure Light-up for Data数週間程度~有償
Data Hack中長期(3カ月~)無償(Azureの使用料が必要)
Cloud Native Dojo for Data長期(数カ月~)有償