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複数種の無人搬送ロボに対応するフリート管理ソフトウェア、オムロンが発売

DIGITAL X 編集部
2021年9月7日

モバイルロボットのシミュレーション機能による短期導入、複数ロボットタイプの統合コントロール、走行データ分析による継続的な走行効率改善を実現するソフトウェアをオムロンが2021年9月1日、グローバルでの販売を開始した。搬送工程の自動化を容易にし、業務の効率化を図る。2021年8月30日に発表した。

 オムロンがグローバルで販売する「Flow core 2.1」は、工場での導入機運が高まるAGV(Automatic Guided Vehicle)など、複数台の無人搬送ロボットを一元管理するためのソフトウェア。導入前のシミュレーションから導入後の走行データの可視化までに対応する。可搬重量が異なる複数種のロボットを統合的に制御でき、製造工程のスループットを高められるという(図1)。

図1:「Flow core 2.1」は複数種の無人搬送ロボットを制御できるソフトウェア

 フリート制御以外にFlow core 2.1が提供する主な機能は、(1)フリートシミュレーション、(2)走行データの可視化・分析「FLOW iQ」の2つ。フリートシミュレーションは、ロボット導入前に、導入効率や課題を明確にすることで早期の立ち上げを可能にする。

 導入後は、走行データを収集・可視化することで、ボトルネックの特定が容易になるほか、導入時に狙った効果との差が把握しながらの走行効率を改善できるとしている。

 オムロンによれば、製造現場では近年、深刻化する人手不足の解決や、作業者の重労働からの解放を目的に、搬送ロボットの導入が進んでいる。そのなかで、搬送工程全体をカバーするため可搬重量やサイズが異なるロボットを複数種、導入するニーズも高まっている。

 一方で、搬送ロボットのノウハウを持つ人材が少なく、導入前の効果検証やライン設計が難しいほか、複数種のロボットを導入・最適化においては、ロボットの走行データの収集・可視化ができず、継続的な改善が難しいことから期待通りの効果が得られないことが課題になっている。