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AIシステムも対象にするデータガバナンス機能のクラウドサービス、米Informaticaが開始

DIGITAL X 編集部
2021年9月10日

データの分析に利用するAI(人工知能)システムを含めたデータガバナンス機能を提供するクラウドサービスを、データ管理ツールなどを提供する米Informaticaが開始する。AIシステムに潜む偏見や差別の削減やコンプライアンス対応を可能にし、AIシステムの再利用性や説明性などを強化できるとする。Informatica日本法人が2021年9月1日に発表した。

 米Informaticaの「Cloud Data Governance and Catalog」は、データとAI(人工知能)システムを対象に、ガバナンス(統治)やデータカタログ、品質管理などの機能を提供するクラウドサービス。AI技術を活用するために必要なデータ品質を確保したうえで、分析対象になるデータの特定や理解、アクセスを容易にする。

 加えて、データ分析のためのAIモデルと、同モデルが使用するデータに対するガバナンス機能を提供する。利用可能なAIモデルや、入出力対象のデータ、分析結果を可視化できる。ガバナンスのポリシー設定により、入力データと結果の品質を追跡することで、AIモデルに潜む偏見や差別といったバイアスの削減が可能になるとする。

 さらに、分析で得たインサイト(洞察)や、それに伴う活動など、データ利用とガバナンスのポリシーに対するコンプライアンス対応も実現する。データとAIシステムの双方にガバナンスを効かせることで、市場からのニーズが高まっているAIシステムの説明性や信頼性の強化が図れるとしている。

 Informaticaによれば、企業はインフラストラクチャーやデータを急ピッチでクラウド環境に移行しているが、データが持つインテリジェンスへの理解が不足している。結果、クラウド上のデータウェアハウスやデータレイクの理解が限定的で、ガバナンスがあまり機能していない。データに基づく企業経営には高度なガバナンスが必要で、信頼性の高いデータとAIシステムが必要だとする。

 Cloud Data Governance and Catalogの利用料金は、従量課金制を採る。